Muni Longの「Make Me Forget」を考察&解説 / 痛みを忘れさせる愛の力の歌

「Made For Me」のリリースも記憶に新しい、シンガーソングライターMuni Long(マニー・ロング)の曲「Make Me Forget」。本記事では、リリックを読み解きながら、曲に込められた思いをを考察&解説します。

(※本記事は筆者の感想文が含まれます。あくまで考察としてお読みいただければと思います。)

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Muni Longの「Make Me Forget」はどんな曲?

「Make Me Forget」は、Muni Longのセカンドアルバムに収録予定のシングル。D’Angeloの「Untitled (How Does It Feel)」のピアノアレンジを取り入れており、温かくソウルフルなサウンドが特徴です​。プロデューサーには、Tricky Stewart、MOMBRU、Jehreeusが名を連ねています。

D’Angelo – Untitled (How Does It Feel)

リリックでは、「Want you to make me forget(あなたに忘れさせてほしい)」と、過去の痛みからの脱却と、新たな愛によって心を癒されることを願っています。マニーの力強いボーカルと感情的な歌詞、癒しのあるサウンドが織りなす感動的なバラードです。

「私にとっては、あったかいお風呂みたいなものよ。愛の手紙みたいな感じ。こう言ってるの、”君は完璧じゃないけど、一緒にいるときのこの素晴らしい気持ちに集中しようよ”って。」Rated R&B

Muni Longは、この曲について「温かいお風呂のような感じ。愛の手紙。」と語り、安心感やリラックスをもたらす曲ということと共に、完璧ではないが素晴らしい感情を共有することの大切さを伝えています​。

Muni Longの「Make Me Forget」を深読みする

ここからは「Make Me Forget」の歌詞の内容を、和訳を用いながら考察していきます。(繰り返しの部分は省略させていただきます。)

※ここでは直訳ではなく、独自の解釈を含んだ意訳を含む場合があります。ここでの解釈が正解と思わず、「考察」「感想文」程度にお読みくださいますようお願いします。

ヴァース1 / 理想のパートナーシップの追求

When the one that I’m with
Ain’t the one that I want
Don’t wanna fight for my love
I want a united front
I’m an alpha and (I am)
I need an alpha man (Man)
Need him to understand
There’s power in the tongue (Ooh) genius

Lyric

今一緒にいる人が
私の望む人じゃない
愛のために戦いたくないの
共に立ち向かう姿勢が欲しい
私はアルファで
アルファな男が必要
彼には理解してほしい
言葉には力があるってね

ここでは、歌い手が「現在のパートナーが理想的な相手ではない」と感じているようです。

彼女は自分の愛のために戦いたくない、共に立ち向かう姿勢を持つパートナー(愛を勝ち取るために絶え間ない争いや努力をするのではなく、自然にお互いを支え合う関係)が欲しいと願っています。

また、自分が「アルファ(リーダータイプ)*1」であり、同じように強い男性を必要としていると表現し、パートナーシップにおける理解と協力の重要性が強調されています。

*1 アルファとは

「アルファ」(alpha)という言葉は、リーダーシップや優位性を表す際に使われます。特に「アルファ・マン」(alpha man)や「アルファ・ウーマン」(alpha woman)という表現は、社会や集団の中で強いリーダーシップや自信を持っている人物を指します。この概念は、動物行動学から由来していると言われており、群れの中で最も支配的な個体を「アルファ」と呼ぶことに起因しているのだとか。

プレコーラス1 / 心からのコミュニケーション重要性

So speak to my heart, babe
Speak to the queen in me
Though we might disagree
Don’t say nothing you don’t mean
Know when to walk away (Walk away)
When I’d rather that you stay
Gently put me in my place
Leave when I need some space genius

Lyric

だから心に語りかけて、ベイビー
私の中の女王に話しかけて
意見が合わない時もあるけど
本心じゃないことは言わないで
引くべき時を知っていて
本当はいてほしいけど
優しく私を正して
私が一人になりたい時は離れて

ここでは、パートナーに対して深いコミュニティケーションを取ることの大切さを歌っています。

意見の不一致があっても、本心でないことを言わないように頼んでいたり、引くべき時を知り、彼女が一人の時間を必要とする時にはそっとしておいてほしいという願いを表現。

深い絆を築くためには、互いに心を開き、誠実に接することが不可欠であることを示している部分だと感じます。

「女王」というワードからは特に、女性の尊厳が感じられ、相手に尊重してほしいという気持ちが込められているように思いました。

コーラス / 過去を忘れさせる新しい愛

Want you to make me forget
Please, can you make me forget?
I want you to make me forget anything
Before you that didn’t feel like this genius

Lyric

あなたに忘れさせてほしい
お願い、忘れさせてくれる?
全てのことを忘れさせてほしい
あなたに出会う前の、こんな気持ちにならなかったことを

コーラス部分では「あなたに忘れさせてほしい」と歌い、パートナーに対して過去の痛みやネガティブな経験を忘れさせてほしいと願っています。

新しい愛がどれほど特別であるかを強調し、過去の辛い思い出から解放されたいという願望を表している部分です。

ヴァース2 / 成長と安心感の必要性

And we already know
That we both need to grow
So if we grow apart it’s
‘Cause that’s the path we chose
Long as you keep me safe (Mm)
I can love you with grace (Mm)
But it’s not a mistake (Mm)
If it’s one that you constantly make genius

Lyric

もう分かっている
私たち二人とも成長が必要だって
だからもし離れ離れになっても
それが私たちの選んだ道だから
あなたが私を守ってくれる限り
優雅に愛せる
でもそれが過ちじゃないの
あなたが繰り返す過ちでない限り

2つ目のヴァースでは、パートナーシップにおける成長と安心感の重要性を強調。

二人とも学び続けることが大切という「成長」、相手が安心感を与えてくれることが重要という「安心感」。そして、一度の間違いは大丈夫でも、繰り返すのは問題だという信頼にまつわる関係性ついて歌っています。

プレコーラス2 / 信頼と真実の愛

So don’t break my trust, babe
Love over lust, babe
I’m not ashamed to
Admit that I’m insane for you
I just can’t walk away
When I know that I’d rather stay
Gently put me in my place
Leave when I need my space genius

Lyric

だから信頼を裏切らないで、ベイビー
愛が欲望よりも大切
私は恥ずかしくない
あなたに夢中だと認めることを
本当はいたいのに
一緒にいたいってわかってる時には
優しく私を正して
私が一人になりたい時は離れて

ここでは、相手に対して嘘をつかず、真実の愛を持って接することを求めています。また、自分の感情を正直に表現し、困難な時でも一緒にいたいという気持ちを伝えています。

— コーラス繰り返しとポストコーラスは省略 —

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