Kehlaniの「After Hours」を考察&解説/ 親密な関係や感情の高まりを描いたクラブバンガー

カリフォルニア州オークランド出身のシンガーソングライターKehlani(ケラーニ)のアルバム『CRASH』にも収録されている人気楽曲「After Hours」。

親密な関係や感情の高まりを描いたクラブバンガーで、時間を問わず相手と共に過ごしたいという願いを情熱的かつセクシーに表現している楽曲です。

今回はこの「After Hours」の魅力を紹介し、歌詞の内容を考察&解説していきます。

R&Bを中心に音楽の最新情報・リアルタイムな情報はXでポスト中。チェックして貰えると大変喜びます。

X公式アカウント

関連記事:Kehlani(ケラーニ)/ 成長し続けるリアリスティックR&Bアーティスト

Kehlani – 「After Hours」はどんな曲?

この曲は、親密な関係や感情の高まりを描いたセクシーでムーディーなラブソングです。歌詞では、「時間に関係なく一緒にいたい」「二人だけの親密な時間を過ごしたい」という思いが強調されており、周りを気にせずに相手ともっと深い繋がりを感じたいという願望が表現されています。

ケラーニは、パンデミックやグローバルな困難を背景に、暗いテーマよりもポジティブな、楽しくて外で聴きたくなるような曲を作りたかったのだそうです。

「パンデミックが始まって、その後もずっと世界中で悲しい出来事が続いてたから、今は暗い感じの曲は作りたくなかったの。もちろん、そういう問題にはしっかり意見を言うけど、アートでは違う形で表現したいと思ってて。むしろ、少しでも楽しい気持ちや明るさをみんなに届けたくてね。外でこの曲を聴いて、みんなが『楽しい!』って感じられるように、ただ気持ち良くなる曲を作ることに集中したんだ。」Kehlani: “After Hours”, Touring & New Music | Apple Music

Nina Skyの「Move Ya Body」をサンプリングしている

「After Hours」の曲作りの際、ケラーニの大好きだという曲「Move Your Body」をサンプリングするアイデアが浮かび、「なぜ誰もこの曲をサンプリングしていない?」と、ふと感じたのだそう。

ドラムが特に特徴的で、一度聴けば誰もがすぐに認識できるし、自然と体が反応するほどインパクトの強いというのも関係しているようです。

「私の好きな曲の一つ、いや、おそらく全時代の中でもお気に入りの曲の一つが『Move Your Body』なの。あの曲が流れると、みんなの体が自然と動くのよ。ある日、家の中を歩いていて、どうして誰も『Move Your Body』をサンプリングしないんだろうって思った。あのドラムが流れると、誰もがすぐにそれと分かって、盛り上がるんだ。」Kehlani: “After Hours”, Touring & New Music | Apple Music

Kehlani -「After Hours」を深読みする

ここからは「After Hours」の歌詞の内容を、和訳を用いながら考察していきます。(繰り返しの部分は省略させていただきます。)

※ここでは直訳ではなく、独自の解釈などの意訳を含む場合があります。本記事の解釈が正解と思わず、「考察」「感想文」程度にお読みくださいますようお願いします。

ヴァース 1 / 「情熱の始まり」強い引力と高ぶる感情

We don’t gotta take it slow
I’ma hit the gas if you ready to go
I wanna feel the sweat breathin’ through your clothes
The way you touch my neck got me ready to fold

Lyric

ゆっくりする必要なんてないわ
あなたが準備できてるなら、私はスピードを上げる
あなたの服越しに感じる汗をもっと感じたい
首に触れるその手で、もう私、折れちゃいそう

最初のヴァースでは、恋愛や体の関係において「ゆっくり進む必要はない」というメッセージが強調されています。

二人の引力を印象づけつつ、相手が準備できているなら「一気に進んでしまおう」と促しています。

「服越しに感じる汗」や「首に触れる手」といった身体的な接触が、さらに彼女の気持ちを高ぶらせていることが描写され、情熱的な始まりを感じさせます。

リフレイン / 「魔法のような時間」自由で親密な繋がりを願う

I wanna make magic (Magic)
I want you to feel me (Feel me)
I want you to grab it (Grab it)
I want you to steal me (Steal me)
If you want it, you can have it (Have it)
I want you to free me (Free me)
I’m not tryin’ to lock you down

Lyric

魔法みたいな時間を作りたいの
私の存在を感じてほしい
私を掴んで、奪ってほしい
欲しいなら、あなたに全部あげる
私を自由にして、解き放ってほしい
あなたを縛ろうとしてるわけじゃないから

リフレインでは、彼女が相手に対して求めるのは単なる一瞬の楽しみではなく、何か特別で「魔法」のような瞬間のようです。

相手に自分を感じ取ってほしい、奪い取ってほしいという強い願望が表現されていて、「私を縛るつもりはない」と言っているところから、関係を自由に楽しみたいという思いも伝わってきます。

相手にプレッシャーを与えないが、情熱的に心と体で繋がりたいというバランスを取っている部分です。

プレコーラス / 「二人だけの世界」他の誰も気にしない親密さ

You came in on your own (Own), own (Own), own (Own)
Caught up in your zone (Zone), zone (Zone), zone (Zone, zone)
In a room full of strangers, different faces (Yeah)
It feels like we’re alone (‘Lone), alone (‘Lone), alone

Lyric

あなたは一人で現れた
自分の世界に夢中だった
たくさんの知らない顔がいるこの部屋で
まるで私たちだけがいるように感じるの

ここでは、二人が他の人々に囲まれている状況でも、まるで他の誰も存在しないかのように感じられるという親密さが描かれています。「二人だけのゾーン」に入り込んだ感覚が強調されている部分です。

コーラス / 「時間を忘れて」夜が更けても一緒にいたい

Why don’t you stay?
Stay here after hours
I know you don’t wanna leave (Don’t wanna leave)
Stay here after hours
After hours, we can—

Lyric

ここに残っていかない?
時間が過ぎても、まだここにいて
帰りたくないんでしょ?
時間が過ぎても、一緒にいようよ

コーラスでは、パーティーや集まりが終わった後も、相手に「ここに残ってほしい」と強く願う気持ちを表現。「帰りたくないんでしょ?」と相手の気持ちを推測し、誘いかけることで、夜が更けても一緒にいたいという欲望を示しています。

二人だけの時間を過ごしたいという切実な願いが、シンプルで力強く伝わってきます。

ヴァース2 / 「永遠に続く時間」時間を忘れる高揚感

We ain’t gotta check the time
Even when it ends, it’s still you and I
We ain’t even know they turned on the lights
We missed the last call, ridin’ on a high (Oh, oh, oh, oh)

Lyric

時間なんて気にしなくていいわ
終わったとしても、私たちは一緒
明かりがついたことにも気づかないくらい
最後のベルを逃したけど、気分は最高なの

2つめのヴァースでは、二人が時間を忘れて一緒に過ごしている様子を描写。「時間を気にする必要はない」という台詞から、時間や場所が問題ではなく、ただ一緒にいることが大事だというメッセージが伝わります。

明かりがついてパーティーが終わったことにも気づかないほど、二人の間には強い高揚感があることが示されていて、親密さをさらに際立たせている部分です。

リフレイン2 / 「今だけじゃない繋がり」ただの思い出にはしたくない

It’s more than a moment (Moment)
This can’t be a memory (Memory)
The party is over (Over)
You wanna come with me? (With me)
My home never closes (Closes)
Just want you to feel free (Feel free)
I’m not tryin’ to lock you down

Lyric

これはただの一瞬じゃないの
思い出なんかにさせたくない
パーティーは終わったけど
私と一緒に来る?
私の家はいつでもウェルカムだから
自由な気持ちでいてほしい
あなたを縛りつけようとしてるわけじゃないのよ

二番目のリフレインでは、ただの一瞬ではなく、もっと長く続く特別な関係であることを強調。「思い出になんかしたくない」と言うことで、関係がその場限りではないことを伝えています。

そして、「私の家はいつでも開いている」「自由に感じてほしい」というリラックスした誘い方も特徴的。彼女は相手を強く求めているものの、相手の自由も尊重しており、無理に何かを求めるわけではないことが示されています。

— 以下コーラス/プレコーラス繰り返し 省略 —

Thumbnail image source

Kehlani Facebook

Lyrics source

Genius

ピックアップ:R&B好きのためのムーブメント「R&B Lovers Club」が発足

関連記事一覧