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「トラップ・ハウス・ジャズ」というオリジナルジャンルを確立したシンガーMasegoを紹介

Artists Music R&B

「TrapHouseJazz(トラップ・ハウス・ジャズ)」という独自の音楽ジャンルを確立し、歌だけでなくドラムやサックス、キーボードなどの楽器も使いこなすシンガーMasego。Solange Knowles、GoldLink、DJ Jazzy Jeffらの賞賛も得ており、Kaytranada、Kehlaniなどのビッグネームともコラボレートする注目のアーティストです。

今回はMasegoのプロフィールをはじめ、これまでの活動や「トラップ・ハウス・ジャズ」の成り立ち、「Masego」という名前の由来、ヒット曲10選などを紹介。

Masegoとはどんなアーティストなのか、気になっていた方は是非ご覧いただければと思います。

目次

  1. Masegoのプロフィール
    「Masego」の意味は「祝福」と「繁栄」
    「トラップ・ハウス・ジャズ」は友人が言い始めた
    Masegoの生い立ちから現在まで
  2. Masegoのヒットソング
    1.Tadow(FKJ & Masego)
    2.Navajo
    3.Mystery Lady(Masego & Don Toliver)
    4.Queen Tings ft. Tiffany Gouché
    5.Old Age ft. SiR
    6.Girls That Dance(Masego & Medasin)
    7.Lavish Lullaby
    8.Lady Lady
    9.I Had A Vision
    10.I Do Everything!

Masegoのプロフィール

Masego(マセーゴ)は、1993年ジャマイカのキングストン生まれ。バージニア州ニューポートニューズで育ちのシンガー/サックス奏者/プロデューサー。「TrapHouseJazz(トラップ・ハウス・ジャズ)」という、さまざまなサウンドを融合させた独自のジャンルを確立し、Solange Knowles、GoldLink、DJ Jazzy Jeffらの賞賛も得ているアーティストです。

ライブループ、ビートメイキングの動画、サックスの即興演奏などをネット上に投稿したことで注目され始め、2016年にデビューEP『The Pink Polo EP』をリリース。

2017年、キャリア最大のヒットの一つ「Navajo」をリリースし、翌年には待望のデビューアルバム『Lady Lady』をリリース。アルバムに収録されたフランスのマルチ・インストゥルメンタリストFKJとのコラボ曲「Tadow」もまた彼の最大のヒット曲で、MVの視聴回数は3.5億を超えています。

2020年にはセカンドアルバム『Studying Abroad』をリリース。本作は2021年にグラミー賞「最優秀プログレッシブR&Bアルバム」にもノミネートされました。

ゲスト出演アーティストとしても活躍しており、Kaytranada、Kehlani、SiR、VanJessSinéad Harnettなどの楽曲に参加。また、ドレイクのヒット曲「Certified Lover Boy」に「Navajo」がサンプリングされたことでも注目を集めました。

「Masego」の意味は「祝福」と「繁栄」

ステージネームである「Masego」の意味は、南アフリカで「祝福」と「繁栄」意味するワードだそう。

「僕の周りにはヨハネスブルグ出身の人が多いから、高校では南アフリカの文化についてのプロジェクトを行ったんだ。そこで見つけたMasegoという名前は、祝福と繁栄を意味していて、教会での僕のニックネームは、すべての楽器を演奏できることからBlessingだったから、ちょうど良いと思ったんだよ。」GQ

Blessingは「祝福」「恵まれている」といった意味の言葉なので、「Masego」は意味が重なっていることからこの名が決まったようです。

ちなみにMasegoは、

コードハープ、トロンボーン、サックス、キーボード、バイオリン、スーザフォン、ドラム、ベース、ギター、アコーディオン、マリンバ、トランペット、ハーモニカ、MPC、カズー

などの楽器を演奏できるそうです。

「トラップ・ハウス・ジャズ」は友人が言い始めた

Masegoが築いた独自の音楽ジャンルとも言える「トラップ・ハウス・ジャズ」。友人がMasegoのやっている音楽を「トラップ・ハウス・ジャズ」と表現したのがきっかけなのだそう。

「僕がジャムセッションを始めたのは15~16歳の頃で、友人は僕たちがやっていたことをトラップ・ハウス・ジャズと表現していたんだ」billbord

多くの曲が即興のジャムセッションから生まれるというMasego。「トラップ・ハウス・ジャズ」は、そのジャムセッションの中から生まれたのだそうです。

そして以前までは「トラップ」「ハウス」「ジャズ」が一つになったものだと考えていたそうで、彼の『Pink Polo EP』がそれを反映しているとのこと。

現在では「トラップ・ハウス・ジャズ」は、さらにアプロチーの仕方に変化があるそうです。「トラップ」「ハウス」「ジャズ」をミックスしたものではなく、Masegoの音楽を総称する名前へと変化しているのが感じられます。

Masegoの生い立ちから現在まで

ジャマイカ人の父とアメリカ人の母の間に生まれたMasego。幼少期は父が軍で働いていたため、引っ越しが多かったそう。ジャマイカ、マンハッタン、ニューヨーク、ユタ、サンプター、サウスカロライナ、ニューポートニューズなどの地域を転々としていたのだとか。

彼の音楽との出会いは、両親が牧師であったアメリカ・バージニア州の教会で始まり、主にゴスペル(Jmoss、William Murphy、Fred Hammond、Kirk Franklin)を聴いて育ったそうです。

「ゴスペルとは情熱を持って歌うこと。誠実さだよ。僕はキャブ・キャロウェイが大好きだ。彼のエネルギー、スタイル、影響力は、今でも僕にインスピレーションをくれるんだ。ジャズ・スイングやそれに伴うダンスも大好きだよ」Smoothie Tunes

また、ドラムも8歳の頃に始め、サックスは12~13歳の頃から習い始めたそう。

高校時代には音楽の幅さらに広がり、ヒップホップも聴くように。

「アウトキャストを初めて体験したとか、ヒップホップの偉人たちを初めて体験したとか、人に言えないようなキャッチボールをしていたよ」LNWY

その後、独学でAbletonやFL studioなどの制作ソフトの使い方を学び、音楽制作に専念。ジャマイカのアーティストkrs.の曲をリミックスしました。

krsとの関係からプロデューサーのMedasinと繋がり、2016年の『The Pink Polo EP』が完成。ネット上で注目を集めました。

また同じ頃、ウィル・スミスとのコラボレーションで有名なJazzy Jeffの目に留まったMasegoは、2週間同じ環境を過ごし、様々な事を教わったそうです。

「彼は僕に素晴らしいソフトウェアを与えてくれたし、才能ある人々を僕の周りに配置してくれ、話を共有したり、彼が続けていることを教えてくれたんだ」LNWY

「食事も作ってくれて、毎日ケータリングがあったよ。そして、彼はいまだに僕に何も要求していないんだよ。このことは、ジャムセッションをして最高の音楽を作るべきだということを教えてくれたんだ」LNWY

2018年にデビューアルバム『Lady Lady』、グラミー賞「最優秀プログレッシブR&Bアルバム」にもノミネートされたセカンドアルバム『Studying Abroad』がその後リリースされ、現在の活躍に至っています。

Masegoのヒットソング

Tadow(FKJ & Masego)

リリース:2017年10月5日(2017年5月24日)
収録作品:『Lady Lady』

Masegoのデビューアルバム『Lady Lady』のファーストシングルで、フランスのプロデューサーFKJとのジャムセッションから生まれた曲です。

「Tadow」とは何かをやり遂げた時に言う「Tada」と、感激した時に使う「Wow」を組み合わせた言葉。インスピレーションは、アメリカのシットコムのコメディドラマ「Fresh Prince of Bel-Air」のウィル・スミス演じる主人公が、フィルおじさんにジャニスと寝たことを説明するシーンから着想を得ているとのこと。

Navajo

リリース:2017年6月4日

大学時代に出会ったインディアンの女性が、自分の元から(いろいろな意味で)離れていくことついて歌った曲です。

ドレイクの大ヒットアルバム『Certified Lover Boy』に収録された「Champagne Poetry」にもサンプリングされた曲で、Masegoの名前もクレジットされました。

Drake – Champagne Poetry

Mystery Lady(Masego & Don Toliver)

リリース:2020年11月10日
収録作品:『Studying Abroad: Extended Stay』

Masegoのセカンドアルバム『Studying Abroad: Extended Stay』に収録。テキサス州ヒューストン出身のラッパーDon Toliverとのコラボソングです。

この曲は、Bow Wowの楽曲「Like You ft.Ciara」にインスパイアされたそうで、彼がまだ会ったことのない未来の女性について歌ったラブソングだそう。

Bow Wow – Like You ft. Ciara

Queen Tings ft. Tiffany Gouché

リリース:2018年2月22日
収録作品:『Lady Lady』

カリフォルニア州イングルウッド出身のR&BシンガーのTiffany Gouchéとタッグを組んだ曲。この曲の要素については、以下のように語られています。

ブラックパンサー、ブラックヒストリーマンス、そしてケープタウンへの旅行への興奮が合わさったものESSENCE

さらにナイジェリアのスターSantiを新たに起用したリミックスバージョンもあり、自身のルーツでもあるアフリカへの敬意をさらに示しています。

Masego – Queen Tings (Santi Remix)

Old Age ft. SiR

リリース:2018年8月22日
収録作品:『Lady Lady』

デビューアルバム『Lady Lady』からの最後のシングルで、TDEのシンガーSiRをフィーチャーしています。自分とは異なる年齢層の女性へのオマージュ曲で、この曲ができたきっかけは、当時付き合っていた年上の女性との関係に由来しているそう。

「僕が年上の女性と付き合っていた時のことだよ。彼女がこの関係を終わらせようとしたのは、彼女の友達が僕たちの年齢を理由にうまくいかないと説得したからなんだ」Genius

「彼女は友達に耳を貸すもんだから、僕はいつも”Age Ain’t Nothing but a Number”を聴いていたよ」Genius

と、当時について振り返っています。

曲の質感、トラックも最高です。ちなみに「Age Ain’t Nothing But A Number」とは恐らくアリーヤの曲です。

Aaliyah – Age Ain’t Nothing But A Number

Girls That Dance(Masego & Medasin)

リリース:2016年4月5日
収録作品:『The Pink Polo EP』by Masego & MEDASIN

テキサス出身のプロデューサーMEDASINとのジョイント作『The Pink Polo EP』に収録。Masegoがクラブで踊る女の子たちを称賛する曲です。

トラックは、masegoが尊敬するキャブ・キャロウェイの「Hi De Ho Man」をサンプリング。トランペットの音色やスキャットなど、ジャズの要素が入ったバウンシーな曲で、当時のMasegoの「TrapHouseJazz」サウンドの雰囲気が味わえる一曲。

Lavish Lullaby

リリース:2018年9月7日
収録作品:『Lady Lady』

Masegoのファーストアルバム『Lady Lady』に収録。この曲はラッパーのLogicの楽曲「Mama / Show Love」でもサンプリングされている、Frank Dukes「majestic147」を元ネタとした曲です。

Masego自身が楽器を演奏するライブパフォーマンスもあるのでこちらもぜひ。

Masego “Lavish Lullaby” (Live Performance)

Lady Lady

Masego – Lady Lady (Velvet Remix)

リリース:2018年6月8日
収録作品:『Lady Lady』

アルバム『Lady Lady』は、文字通り「女性」や女性からもらった影響などがテーマになっています。この曲は、Masego(歌い手)の特別な人(女性)を指し、恋心を表現しています。

アルバムの中核を担う曲ですね。

I Had A Vision

リリース:2018年9月7日
収録作品:『Lady Lady』

All of them were driven, yeah
(全員が意欲的で)
Straight independent, yeah
(自立した女性たち)

と歌うこの曲は、自立した女性に敬意を表すとともに、故アリーヤを始め、世界中の女性に賛辞を送る歌です。

I Do Everything!

リリース:2016年7月27日
収録作品:『Loose Thoughts EP』

Masegoの『The Pink Polo EP』に続く、2枚目のEP『Loose Thoughts EP』に収録された一曲。

「”I Do Everything”パート1と2は、自分の曲を反転させたものだ。僕はこの変化を表現したいんだ。僕にとってエネルギーは常に喜びに満ちているけど、何でもこなす人間として、もっと深く掘り下げたいと思っているよ。この曲はその変化を振り返るためのインストゥルメンタルなんだ」VIBE

『Loose Thoughts EP』にはヴォーカルバージョンの「I Do Everything!」とインストバージョンの「I Do Everything (More For Cruisin)」の2つの曲が収録。「パート1と2」とはこの二曲のことです。

Masegoはあらゆる楽器を演奏できるスペシャリストとしても知られていますが、「何でもこなす人間」として、インストVerと、ヴォーカルVer、どちらの曲も堪能して欲しい想いがあったのかもしれませんね。

ということでインスト版「I Do Everything (More For Cruisin)」もぜひ聴いてみてください!

I Do Everything (More For Cruisin)

最後に

Masegoを紹介しました。記事では紹介しませんでしたが、Devin Morrisonとのコラボ曲「Yamz」も良いので是非聴いてみて欲しいです。

Masego, Devin Morrison – Yamz

また、当ブログでも紹介してるVanJessや、Sinead Harnettともコラボしている曲「Stickin’」もおすすめなので合わせて是非!

最後までお読み頂いた方、ありがとうございました。

Reference

VICE「Masego Wants to Be More Than A Sax-Wielding Ladies Man」
GQ「Meet Masego, the next-level singer and saxophonist making jazz music cool again」
Billboard「Masego on How Jam Sessions Spark His Creativity & Why He Considers Erykah Badu an Inspiration」
Billboard「Catching Up With Masego on His Grammy Nomination, CLB Sample & New Artistic Ventures」
Smoothie Tunes「INTERVIEW | MASEGO」
LNWY「Masego Is Redefining The Ladies’ Man」
ESSENCE「Maségo Drops ‘Queen Tings’ Ahead Of Debut Album ‘Lady Lady’」
Genius「Masego」
VIBE「Premiere: Masego’s ‘Loose Thoughts’ Make For One Heck Of A Summer Project」
okayplayer.「First Look Friday: Enrich Your Earholes With The ‘King Of Trap House Jazz,’ Maségo」

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