USHER, Summer Walker, 21 Savage「Good Good」を考察&解説 / 離れても友達として良い関係は続く
USHER、Summer Walker、21 Savageがコラボした2023年下半期のヒットソング「Good Good」。別れた後の恋人同士の関係性を描いたこの曲は、ビルボードホットチャートでも上位を記録しました。
今回はそんな「Good Good」を考察&解説。この曲にはどんな思いが込められているのか、歌詞の和訳を用いながら深掘りしていきます。
(※本記事は筆者の感想文が含まれます。あくまで考察としてお読みいただければと思います。)
「Good Good」はどんな曲?
「Good Good」は、2023年8月にビルボードホット100チャートで68位に初登場し、11月には28位にまで上昇した人気曲。R&Bソングスチャートで4位を記録しています。
「”Good Good”は、誰かとの関係にあって、最終的に彼らにこう伝えることについてだ。『なあ、敵になる必要はない』」と彼は続ける。「俺たちはもしかしたら完全にうまくいっていないかもしれない、つまり、永遠に続くと思っていた関係ではなかったかもしれないけど、良い関係にはなれるってことさ」People
リリックでは元恋人たちがお互いに向けている複雑な感情を描いていますが、「今は一緒にはいないけれども、お互いに対して依然として良い感情を持っている」と、相手の幸福を願った歌です。
USHER, Summer Walker, 21 Savage「Good Good」のリリックを深読みする
ここからは歌詞を和訳しながら考察&解説していきます。
冒頭イントロ部分から「We ain’t good good, but we still good(完全にはうまくいっていないけれど、まだいい関係だ)」と元恋人との関係が完璧ではないが、まだ互いに対する良い感情が残っていること、関係は良好であることを歌っています。
コーラス:Usher / 戻れないけど今も良い関係
I hate that we didn’t make it to forever
(永遠には続かなかったことが悔しい)
Probably ain’t gettin’ back together
(おそらくもう戻れないだろうけど)
But that don’t mean that I can’t wish you better
(でも、君の幸せを願えないわけじゃない)
We ain’t good good, but we still good
(完璧じゃないけど、まだいい関係だ)
I realize that I can’t be your lover
(恋人でいられないことは分かってる)
Let’s just keep it honest with each other
(互いに正直でいよう)
I’ll be happy for you when you find another
(君が他の誰かを見つけた時、喜ぶよ)
We ain’t good good, but we still good
(完璧ではないけれど、まだ良い関係だ)
コーラスでは、Usherは関係が「永遠に続かなかった」ことに対する悔しさや、もう元には戻れないことを自覚しつつ、元パートナーの幸福を願っています。
最後にはイントロでも登場した「We ain’t good good, but we still good(完璧ではないけれど、まだ良い関係だ)」が囁かれ、恋人としての関係は終わったが、まだお互いに対して良い関係を保っていることを認めています。
タイトル「Good Good」の意味を回収した部分でもありますね。
ヴァース1:Usher / 離れてより関係が良好になる特別さ
Who knew it’d be like this?
(こんな風になるなんて誰が知っていた?)
Usually my exes turn to enemies
(普段は元カノたちは敵になるけど)
But this is different
(でも、これは違う)
‘Cause we done got closer now that you ain’t with me (Oh)
(だって、離れた今、もっと近づいたから)
All that love that we had
(僕たちが持っていた愛情全て)
Ain’t no way we gon’ forget that
(忘れるはずがない)
And your family love me like I’m family
(そして君の家族は、家族のように僕を愛してくれる)
You know where you stand with me
(君は僕との関係を知ってる)
So when they ask, tell ’em
(だから聞かれたら、伝えて)
このヴァースは、Usherが元恋人との関係を振り返り、その特別さと深い絆を認める様子を描いています。
今回別れた人はこれまでとは違い、別れたことで彼らの関係がより強固なものに成長したことを強調。元恋人の家族との関係性も、この特別な絆を示しています。
このヴァースも、終わった恋愛関係が常に負のものである必要はないという考えを示していて、元恋人とのポジティブな関係の可能性を示しているのがわかります。
プレコーラス:Usher / タイミングと愛情のすれ違い
Right one, right place, wrong time
(正しい人、正しい場所、間違った時)
Can’t say we didn’t try
(試さなかったわけじゃない)
But you always been a real one
(でも君はいつも本物だった)
Even though we ain’t together
(一緒じゃなくても)
It was real love, and baby, it’s still love
(それは本物の愛だった、そして今も愛してる)
プレコーラスでは、恋愛関係が終わることの複雑さを深く掘り下げています。
最初の「Right one, right place, wrong time(正しい人、正しい場所、間違った時)」は、関係のタイミングについて述べていて、「適切なパートナー」「関係が生じた環境」「適切な時期」を通して、うまくいかなかった理由を関連づけていると解釈しました。
それでも彼は元パートナーに対する深い愛情と尊敬を保っています。彼らの愛が本物であったこと、そしてそれが今も続いていることを強調しており、終わった恋愛に対する成熟した認識を示しています。
ヴァース:Summer Walker / 私は運命の人じゃないけどあなたの幸福を願うわ
All them plans you made for me to be your missus
(君が私を奥さんにしようとした全ての計画)
All the stacks that you done spent on me at Lenox
(レノックス[*1]で私に使ったお金の山)
It don’t go forgotten, but we’re happier apart than locked in (Locked in)
(忘れることはないけど、一緒にいるより離れた方が幸せ)
No smoke with me, I promise, boy, I don’t do drama
(問題はないわ、約束する、私はドラマを起こさない)
It didn’t work, but I hope you find another
(うまくいかなかったけど、他の人を見つけられるといいわ)
I wish you peace, I wish you good sex, and good sleep
(平和と良いセックス、良い睡眠を願うわ)
Find the girl of your dreams
(君の夢の女性を見つけて)
‘Cause I sleep well at night knowin’ this ain’t meant to be (Oh)
(この関係は運命じゃないと知って、夜はよく眠れるから)
彼との関係が終わったことへの反応や感情を振り返っている、Summer Walkerのヴァース。
彼女は、彼が示した愛情や努力を認めつつ、二人が別れたことがお互いの幸福につながったと感じています。元彼に対するポジティブな感情はそのまま、相手の幸福も願っているのがわかります。
過去の関係を大切に思いながらも、自分たちが別々の道を歩むことが最善であると信じているのが感じるヴァースですね。
Lenox Square(レノックス・スクエア)の略。ジョージア州アトランタのバックヘッド地区にある高級ショッピングモールで、1959年のオープン以来、一流のショッピング・スポットとして知られ、他ではあまり見かけない高級ブランドなど、さまざまな店舗が軒を連ねている。
ヴァース3:21 Savage / 別れても君の幸せを願う
No matter who you with, I wanna see you happy (On God)
(誰といても、君が幸せであることを望む)
Yeah, it didn’t work out but that don’t mean you should attack me (21, 21)
(うまくいかなかったけど、だからって攻撃する必要はない)
We enjoy the five-star meals, but you was with me for the Zaxby’s (Facts)
(五つ星の食事を楽しんだけど、君はザクスビーズ[*2]のために俺といた)
Holdin’ me down from the start (21), I used to be broke, I was ashy (21)
(最初から支えてくれた、昔は本当に貧しかった)
I hate we didn’t tie the knot, but shit, that’s how life go (Oh God)
(結婚しなかったのは残念だけど、まあ、そういうものだ)
You always would say that I might blow (21)
(いつも俺が成功するかもしれないと言ってた)
Got rich and I paid for your lipo’ (21)
(金持ちになって、君の脂肪吸引費を払った)
I know the person you is (Yeah)
(君がどんな人か知ってる)
That’s why I still wanna be friends (On God)
(だからまだ友達でいたい)
If you wanna open up a new salon, I still help pay for the wigs (Straight up)
(新しいサロンを開きたいなら、ウィッグ代もまだ手伝うよ)
And I help with the lease (On God)
(リースも手伝おう)
You know I ain’t never been cheap (21)
(俺がけちじゃないことは知ってる)
Relationships don’t always last, but let’s not turn it to beef (21)
(関係はいつも続くわけじゃないけど、それを争いに変えないで)
I come through from time to time and have you grabbin’ them sheets (21)
(時々来て、シーツを掴ませるよ)
That’s if you want to, I’m just playin’, girl, stop smackin’ your teeth (21, 21)
(もし君が望むならね、冗談だよ、歯を鳴らすのはやめて)
このヴァースでは、21 Savageが元恋人との関係を振り返り、彼の感情と二人の関係性を探求。21 Savageもアッシャーやサマーと同様に、別れた相手に対して依然として深い愛情を持っていて、彼女の幸福を願っています。
彼は関係が終わったことに対して現実的であると考えていることや、友情を維持し、彼女の将来の計画を支援する意向を示しているのもわかるフレーズがありますね。
終わった恋愛関係ですが、元パートナーに対する持続的なサポートと尊重を反映しています。最後の冗談を言う辺りも粋です。
Zaxby’sは、ザック・マクレロイとトニー・タウンリーによって1990年8月に設立されたアメリカのファースト・カジュアル・レストランのチェーン店である。同社はチキンウィング、チキンフィンガー、サンドイッチ、サラダを提供することで知られている。
以上「Good Good」の考察でした!
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