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J Cole(Jコール)の最新アルバム『The Off-Season』に込められた意味とは

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5月14日にリリースされたJコールのアルバム『The Off-Season』。今回は、このアルバムをちょいちょいと掘り下げていこうと思います。

目次

  1. J Cole『The Off-Season』のアルバム詳細
  2. 『The Off-Season』のシングル
  3. 公開されたミュージックビデオ
  4. 『The Off-Season』に込められた意味

J Cole『The Off-Season』のアルバム詳細


リリース:2021年5月14日
レーベル:Dreamville Records、Roc Nation、Interscope Records

Jコールの通算6枚目のアルバム。以前からInstagramで予告していた三枚のアルバム(『The Off-Season』『It’s a Boy』『Fall-Off』)の一枚目の作品と言われてます。

作品には、Morray、21 Savage、Lil Baby、Bas、6lackなどのアーティストが客演参加。またプロデュース陣には、以下の面々がクレジットされてます。

Boi-1da、Coleman、DJ Dahi、Don Mills、DrtWrk、Frank Dukes、Jake One、J. Cole、Maneesh、Mario Luciano、Sucuki、Tae Beast、Timbaland、T-Minus、Tommy Parker、Wu10

ビルボード200チャートでは1位を獲得。これまでのアルバム同様に全米1位を獲得したことで、6作品連続の全米1位となりました。

J Cole『The Off-Season』のシングル

本作からは、「The Climb Back」「i n t e r l u d e」「m y . l i f e feat. 21 Savage, Morray」の3つのシングルがリリースされました。

The Climb Back

リリース:2020年7月22日

『The Off-Season』のファーストシングル。Jコールが再確認したラップ愛のことや、人生の体験などについて歌った曲です。

この曲のリリースの前日に「The Audacity」というエッセイが発表されました。Jコールがこれまでの人生を振り返りながら、様々な葛藤を経て、人生の次のステップへ向かうことが綴られています。

このエッセイでは「Climb」というワードが頻繁に使われている事から、「The Climb Back」の前身的な役割を果たしているんじゃないか?との予想がされているようです。

i n t e r l u d e

リリース:2021年5月7日

アルバムのセカンドシングル。約2分という短めのトラックの中で、ラップでのし上がったことや、悲痛な世の中の現状を綴った曲です。

この曲のソウルフルなサンプルは、共同プロデューサーとしてクレジットされてているTommy Parkerが1から作ったループなんだそうです(多くのファンがジェームス・ブラウンのレコードからのサンプルだと思っていたそう)。

また、もうひとりの共同プロデューサーであるT-Minusいわく、

一番の思い出は、Tommyのループを聞いたときのコールの反応だよ。狂気を感じたね。コールの反応を見たとき、彼は自分が聞いたものを気に入ったのだと思ったよ。彼は非常にインスパイアされたのだと。COMPLEX

今の時代だからこそ、どんな時代のものでも作ることができるし、その時代の本物の音を出すことができる。本当にクールだよ。COMPLEX

と言ってまして、

「現代でもこのようなサンプル(まるでJBのようなサンプル)を、自分たちで作り、それを使えることがクールだ」

的なことを語っておりました。

m y . l i f e feat. 21 Savage, Morray

リリース:2021年5月14日

アトランタ出身のラッパー21 Savage(21サヴェージ)と、ノースカロライナ州ファイエットビル出身(コールと同郷)のラッパーMorray(モーレイ)がフィーチャーされた、3枚目のシングル。成り上がることの難しさや、苦悩・痛みを経験し今があることなどがラップされてます。

アルバムリリース前に公開されたドキュメンタリーショートフィルム「Applying Pressure: The Off-Season Documentary」では、アトランタでの21 Savageとの様子も映っています。

J. Cole – Applying Pressure: The Off-Season Documentary

またMorrayのパートでは、Pharoahe Monchの「The Life」のフックが引用されているのも注目のポイントです。

Styles, Pharoahe Monch – The Life

ミュージックビデオ

『The Off-Season』から公開されているミュージックビデオは「amari」、「a p p l y i n g . p r e s s u r e」、「p u n c h i n ‘ . t h e . c l o c k」の三曲です(2021年6月)。

amari

ビデオ公開:2021年5月18日

コールが、故郷であるノースカロライナ州フェイエットビルからスタートし、ヒップホップ業界で偉業を達成するまでの事を綴った曲。

曲名の「Amari」とは、コールのレーベルである”Dreamville”のマネージャーの息子の名前。ここで彼に敬意を表しているんだそうです。(ちなみに、レーベル所属のラッパーBASの甥でもあるんだとか)

「Either you gon' hustle or that nigga Uncle Sam got yo' ass re-enlisting(頑張るか?アンクル・サムに再入隊させられるか?選択肢は2つだ)」

歌詞では「アンクルサム」という、第一次世界大戦当時の広告の人物の名前を引用していたり、2PACの詩の引用をしていたりと、言葉選び・センスが卓越してます。

(↑戦時中の募兵用ポスターのアンクルサム。当時のアメリカを擬人化したキャラ?みたいなもので、このポスターに使われてから戦争系のイメージがついた模様)

ビデオは同じノースカロライナ州のラッパーMezが監督を担当。Dreamvilleのヘリコプターまで出動してます。ヘリこのために作ったんだろうか。お金掛かってますねー。

個人的にアルバム中で一番好きな曲です。フローとパッションが凄まじい。刺さりますね。

a p p l y i n g . p r e s s u r e

ビデオ公開:2021年5月26日
このビデオは「Applying Pressure: The Off-Season Documentary」も撮影しているScott Lazerというビデオグラファーが担当していて、Tripp Kramerというプロダクションも関与している模様です。

かつてJコールもセント・ジョーンズ大学在学中に住んでいたニューヨークで撮影されています。

同じくニューヨークのラッパーのDAVE EASTが、

「My latest speeches sound like they was released by David East」

のリリックに合わせて一瞬だけ出演してます。

p u n c h i n ‘ . t h e . c l o c k

ビデオ公開:2021年6月4日

アルバムの中でも最も短いトラックで、仕事に費やした時間についてを語った曲です。イントロ部分には、NBAの選手であるデイミアン・リラードのインタビューをサンプリング。デイミアン・リラードは、勝負強いクラッチタイムに由来し「Dame Time」という異名もつけられているんだそうです。

バスケットボールの場合、試合終盤、特に一本のシュートで勝敗が分かれるような競った場面をクラッチ・タイムと呼ぶ。Wikipedia

このことから、曲のタイトルはリラード選手のニックネームにも関連してる(リラード選手を称賛してる?)のかもしれませんね。

ビデオのディレクション勢には「a p p l y i n g . p r e s s u r e」tと同じ面々が起用されています。

J Cole『The Off-Season』に込められた意味

SLAMマガジンのインタビューでは『The Off-Season』について、こう述べられておりました。

「オフシーズンは、最高の高みに到達するために必要な作業を象徴している。オフシーズンは、最高の形になるまでにかかった何時間、何ヶ月、何年もの時間を表しているんだ。」SLAM Media

「アスリートにとって、キャリアを真剣に考え、高い目標を持ち、それを追い求めようとするなら、オフシーズンは魔法が起こる場所であり、醜いことが起こる場所であり、痛みが起こる場所であり、不快な限界まで自分を追い込む場所なんだよ。」SLAM Media

それは、練習、トレーニング、ドリル、激しさ、技術を表している。自分を追い込むことを表している。この時期に作られた曲や詩のすべてが『The Off-Season』に収録されていなくても、このプロジェクトはそのすべてを体現しているんだよ。SLAM Media

「オフシーズン」。つまり、「準備期間」で全てが決まる。それくらい大事な時期なんだって事を表しているんですね。

また、「シーズンに入ってからでは、上達するには遅すぎる」と語るコールは、こうも述べております。

「俺は、これをバスケと同じように考えているんだ。バスケットボールのように、試合に出ようと思っても、何ヶ月も練習していないのだから、試合に出てもうまくいかない。基本ができていないから、創造性が発揮できないんだ。」SLAM Media

バスケ愛に溢れ、先日にはバスケットボール・アフリカリーグ(BAL)にてプロデビューもしたJコールらしい表現方法だなーと感じます。

彼は、音楽をスポーツの方程式にあてはめ、地道に積上げていく、準備の大切さを説いています。

最後に

ということで、アルバム『The Off-Season』から、シングルカット三曲とミュージックビデオから三曲の紹介。「The Off-Season」の意味についてを軽く堀らせてもらいました。

なにやら引退もささやかれているようですが、とりあえずあと二作は出す予定だそうなのでそれを楽しみにしたいと思います。

Jコールの過去作も掘り返したくなりました。。いずれ記事出したいなあ。

ここまで読んでくれた方、ありがとうございました!

おすすめ記事:Jamla Recordsの注目新鋭ラッパー「Reuben Vincent(ルーベン・ヴィンセント)」

Reference

The Players’ Tribune「The Audacity」
COMPLEX「How J. Cole Made “Interlude” With Producers T-Minus and Tommy Parker」
COMPLEX「First Impressions of J. Cole’s ‘The Off-Season’」
SLAM Media

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