Jamla Recordsの注目新鋭ラッパー「Reuben Vincent(ルーベン・ヴィンセント)」
アーティストを知る入り口やきっかけになればいいなという紹介コーナー第6弾です!
今回はノースカロライナ州シャーロット出身。名プロデューサー9th Wonder率いるJamla Recordsの新鋭ラッパーReuben Vincent(ルーベン・ヴィンセント)を紹介していきます。
Reuben Vincent(ルーベン・ヴィンセント)のプロフィール
主な作品 |
・『Myers Park』 ・『Boy Meets World』 |
Reuben Vincent(ルーベン・ヴィンセント)は、ノースカロライナ州シャーロット出身のラッパー。
14歳の頃自身でミックステープをリリースし、16歳で9th Wonder率いるレーベル「Jamla Records」と契約。2017年にデビュー・ミックステープ『Myers Park』を同レーベルからリリース。
若くして9th WonderやRapsodyといった大物アーティストに評価され、2015年Murs & 9th Wonderのミックステープ『Brighter Daze』のトラック、「The Shutters」にフィーチャーされるなどを経てレーベルからのデビューを飾り、現在Jamla Recordsファミリーの最年少メンバーとして活躍。
2020年には、2作目となるプロジェクト『Boy Meets World』をリリースし、更なる期待が寄せられている注目のラッパーです。
Reuben Vincent(ルーベン・ヴィンセント)の注目曲
1.BB GUNS
リリース:2017
収録作品:『Myers Park』
デビュー・プロジェクトであるミックステープ『Myers Park』からの2ndシングルで、当時ラプソディに続くジャムラファミリーのもう一人の新進気鋭ラッパーとして登場したReuben Vincentの渾身の一曲。
2.Albemarle Road
リリース:2019
収録作品:『Boy Meets World』
2019年に『Boy Meets World』のリードシングルとして先行リリースされた曲で、曲名でもある「Albemarle Road」は彼の故郷である、シャーロットの東側にある子どもの頃から馴染みのある道なのだそう。
この曲は、この場所へのオマージュが込められている一曲であり、個人的にも一番好きな曲です。
めっちゃ渋い。カッコいいですね。
3.Close
リリース:2020
収録作品:『Boy Meets World』
プロデューサーEric Gの手掛けるブーンバップなトラックと、マットな質感のMVとラップが異常に組み合わせのいい曲です。
「曲もビデオも『Close』を誇りに思っているし、コラボレーターと一緒に仕事ができて光栄だよ。Eric Gは彼のビートで完璧なエネルギーをもたらしてくれて、私がこの曲で表現したかったことを増幅させてくれました。」2DOPEBOYZ
と本人も語る一曲です。
4.Expedition ft. GQ
リリース:2020
収録作品:『Boy Meets World』
こちらもEric Gのプロデュースによる一曲で、レーベルメイトであるラッパーのGQをフィーチャーした一曲です。
この曲のミュージックビデオはNas、DMX、Taral Hicks、T-Boz、Method Manらが出演した1998年の映画『Belly』をオマージュしているんだそう。ちなみに再現されているのは、麻薬王リコがバナナを食べているシーンなのだとか。
5.No Problems
リリース:2019
収録作品:『Madden NFL 20 Soundtrack』
EA Tiburon制作のスポーツゲーム『Madden NFL 20』のサウンドトラックにも収録された曲で、ゲームの影響もあってか、実は彼の楽曲の中では一番知名度のあるっぽい曲です。(筆者調べ)
Reuben Vincentのこれまでを深掘り
幼少期について
幼いころのルーベンは、父親のキャデラックに乗って、オールドスクールのヒップホップを聴きながら育ったそうです。
最初に聴いたラッパーの一人というのが2パックだと語っているそうで、これも父親が良く流していたからなのだそう。
実際にEP『Boy Meets World』の1曲目の『How It Feel?』は、17歳の2PACが教育や貧困、人種差別などの社会問題について語っている1988年のインタビューの模様から始まっていて、ヴィンセントの2パックへの尊敬は今も変わらないようです。
その他にもMary J. Blige、Erykah Badu、Lauryn Hill、Biggie、Nas、Jay-Z、Kanye West、Lil Wayne、Lauryn Hill、50 Cent、Bow Wowなども聴いていたそう。
幼い頃からアルバムのカバーやトラックリストを描いたり、スニーカービジネスをすることを夢見ていて、リリックをスピットしたのはわずか8歳の頃だったのだとか。
その後13歳の頃には、彼のミドルネームであるE$AUという名前で『IDOL.ESCENT』というミックステープをリリースしています。
9th Wonderとの出会い
ルーベンと9thとの出会いは2014年で、Twitterから知り合ったのだそうです。
13歳の時にE$AU名義でリリースしたミックステープ『IDOL.ESCENT』のリンクを何者かが9thに送ったことによって、9thがそれに反応し、やり取りが始まったんだそうです。
9th Wonderは、
「若者は大胆不敵で容赦ないが 時に見当違いで野心家で不注意なこともある。ルーベンは稀有な存在である。彼のコンセプト、ビジョン、目的、そして音楽のサウンドについて、19歳としての先見性を持っている能力は驚異的だ。20年近く音楽に携わってきて、40年近くヒップホップを聴き続けてきて、その姿を目の当たりにしたことはないだろう。特に今は、ソーシャルメディアの時代、多くの気晴らし、インフルエンサー文化の中で、ルーベンは自分の足で立っている。」WeUpOnIt
と絶賛し、ルーベンは、
9thは音楽から始まって、本当に人生のあらゆる部分に及ぶ多くのことを私に祝福してくれた。彼は僕が一人前の男になるための旅を助けてくれたんだ。9thとJamla Recordsが私に教えてくれた最大の教訓は、忍耐の大切さと、それを真剣に守っている人にもたらされる利益だよ。PRELUDE PRESS
と語っています。
Jamlaレコーズ契約後の活動
Jamlaレコーズは、9th Wonderが主宰するレコードレーベルで、元々は2008年に9thが設立した「It’s A Wonderful World Music Group」というインディペンデント・レコード・レーベルの傘下としての目論見があったレーベルがJamlaなのだそう。
(ちなみに「Jamla」って名前はMotown Recordsのインプリント(欧米の出版社が出版物を刊行する際に用いるブランド名)である「Tamla」から取られたものなんだそうな)
Jamlaでは特にジェイ・Zの率いるレーベル「Roc Nation」との契約者でもあるフィメールラッパーのRapsodyが在籍していることでも有名で、ルーベンも彼女を姉のような存在として、尊敬のまなざしでとても慕っており、ツアーも一緒に周っています。
ルーベンは、そんなJamlaからデビュー・ミックステープ『Myers Park』をリリースし、そこから約2年ちょっとの時を経て2020年にEP『Boy Meets World』がリリースされました。
その他、2015年Murs & 9th Wonderのミックステープ『Brighter Daze』のトラック、「The Shutters」へのフィーチャーや、
9th Wonderプレゼンツのコンピレーションアルバム『Jamla is the Squad II』への参加など、
Jamla周辺での活動も垣間見え、さらに最近だと(2020年9月現在)レーベルメイトのGQのプロジェクト『A Midsummer’s Nightmare』にも参加してます。
さいごに
Reuben Vincentは、
稀に見る内省的な思春期を意識した多彩なフローを披露するヴィンセントは、ブルックリンのJoey Bada$$のような神童的な黄金時代のオーラを放っている。CLTure
と評されていて、Joey Bada$$は個人的にもすごく好みだし、彼を彷彿とさせるもの感じつつも、また違った質感も感じている次第です。
確か、何かのインタビューで、
「次はデビュー・アルバムのリリースを予定しているよ。見逃さないでね。」
みたいなことを言っていた気がするので、次作や今後の活動も是非ともチェックしていきたいラッパーです。
最後までお読みいただきありがとうございました!
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Thumbnail Image:Reuben Vincent Twitter