Summer Walker( サマー・ウォーカー)/ 内省的なR&Bの新星歌姫
ジョージア州アトランタ出身のシンガー、Summer Walker( サマー・ウォーカー)。
今回はSummer Walkerのヒット曲や、これまでの経歴、彼女の魅力などを掘り下げていきたいと思います。
Summer Walker( サマー・ウォーカー)のプロフィール
Summer Walker(サマー・ウォーカー)は、ジョージア州アトランタ出身のシンガーソングライターで、バラードや、スロー・ジャムソングなど、柔らかくもドープな歌声を武器に活躍するR&Bアーティストです。
本名はSummer Marjani Walker(サマー・マルジャニ・ウォーカー)。1996年4月11日生まれ。
2018年にデビューして以来、アルバム『Over It』はビルボード200で2位を獲得し、EP『Life on Earth』が注目されたことにより、DRAMや6LACKなどを輩出するInterscope Recordsと契約を結んでいます。
ビルボードによれば、彼女のデビューアルバム『Over It』は、女性R&Bアーティストとしては史上最大のストリーミング・デビューを獲得していると歴史に名が刻まれた他、2019年ソウル・トレイン・ミュージック・アワードでは「最優秀新人賞」も受賞している、今最も注目したい女性R&Bアーティストの一人です。
Summer Walker(サマー・ウォーカー)のヒット曲
1.Girls Need Love
リリース:2018年
収録作品:MIX TAPE『Last Day of Summer』
この曲はSummer Walkerのキャリア初期のヒット曲で、ビルボードのR&Bチャート8位を記録した他、プラチナ認定もされた一曲です。
「Girls Need Love」はリミックスもリリースされてまして、そちらはドレイクをフィーチャーし、デビューアルバム『Over It』にも収録されました。
この二人のコラボが実現したのは、ドレイクが彼女のDMに連絡。
「ボーリング場のモニターで君のビデオを見た」というメッセージのやり取りから話が始まったのだとか!
ジミー・キンメル・ライブ(アメリカのABCテレビで放映されているトーク・ライブ番組)でのライブもお見逃しなく。
2.I’ll Kill You (Feat. Jhene Aiko)
リリース:2019年
収録作品:『Over It』
LAを拠点に活動する人気歌手Jhene Aikoをフィーチャーしたこの曲は、アルバムからのチャートインソングで、ゴールド認定もされています。
幻想的でメロウなスロー・ジャムソングですが、題名からもなんとなく察せるように「自分の男に手をかけた者は誰でも殺す準備ができている」という戦う女性の姿が描かれている、キラー・ラブソングとなっております。
3.Playing Games (with Bryson Tiller)
リリース:2019年
収録作品:『Over It』
アルバムのリードシングルとしてリリースされた曲で、エクステンデット・バージョンには、ケンタッキー州ルイビル出身のシンガーBryson Tillerがフィーチャーされました。
歌の中でも聞こえてくる通り、この曲はデスティニーズ・チャイルドの曲「Say My Name」をサンプリングしている(「Say My Name」の歌詞がバックボーンに巧妙に組み込まれているんだ)そうです。
4.Stretch You Out (ft. A Boogie wit da Hoodie)
リリース:2019年
収録作品:『Over It』
ニューヨークはブロンクス出身のラッパーA Boogie Wit Da Hoodie(エイ・ブギー・ウィット・ダ・フーディ)をフィーチャーした曲です。
London on da Trackがプロデュースしたこれまた濃厚でスローリーな一曲で、サマー・ウォーカーがミュージックビデオでポールダンスを披露しているのにも注目が集まったようです。
5.Come Thru (feat. Usher)
リリース:2019年
収録作品:『Over It』
シンガーのアッシャーをフィーチャーした、アルバム3番目のシングルとなった曲です。
1997年のアッシャーのヒット曲「You Make Me Wanna…」をサンプリングした曲でもあり、MVにはなんと「You Make Me Wanna…」をプロデュースしたJermaine Dupriもカメオ出演しています!
Summer Walker(サマー・ウォーカー)の経歴
キャリア以前の活動
少なくとも15歳の頃から歌は歌っていたそうで、ジャズミン・サリバン、故エイミー・ワインハウスといったソウルシンガーに影響を受けたのだとか。
また、ギターをYoutubeのビデオを見て独学で学び、それを使ってカバー曲を投稿していたそうです。
「私が歌い始めたのは、快適で創造的な方法でお金を稼ぐ方法を見つけたかったからよ」
とも語っているようです。
彼女が所属するLVRNレーベルの共同設立者であるジャスティス・バイデンは、
「私が最初にインスタグラムで彼女をフォローし始めたとき、彼女はストリップクラブで働いていて、次の動画は彼女がアコースティックギターを弾いているところだった。それは文字通り、1つの中に存在するはずのない2つの異なる人々の姿なんだ。」93.9 WKYS
と当時の印象を語っています。
音楽キャリアの本格的なスタート
2018年、まず始めにセルフプロデュースのアコースティック・ナンバー「Session 32」で、LVRN/Interscopeからデビューを果たします。
その後、「CPR」、「Deep」、「Girls Need Love」とリリースは続き、
2018年10月19日に、上の3曲も収録した、メジャーデビュー第一弾プロジェクトとなるミックステープ『Last Day of Summer』をLVRNからリリースします。
この作品でサマー・ウォーカーは「自信」、「疑念」、「愛」、「女性らしさ」についての彼女の考えや感情を透明に表現しているのだとか。
世界的ヒットアルバム『Over It』のリリース
2019年に入ると、4曲入りのアコースティックEP『Clear』がリリース。この作品はビルボード200で44位を記録しました。
そして同年の10月、ファースト・フル・アルバム『Over It』がリリースされます。
アルバムは、サマー・ウォーカーのボーイフレンドと言われるLondon on da Track(ロンドン・オン・ダ・トラック)がそのほとんどをプロデュースしていて、「Girls Need Love」のリミックスにフィーチャーしたDrakeを始め、
- Bryson Tiller
- Usher
- 6lack
- PartyNextDoor
- A Boogie wit da Hoodie
- Jhené Aiko
といったアーティストが参加しています。
「ビルボード・ホット200」チャートでは2位を記録した他、「R&Bアルバム」チャートでは、14週連続での一位を記録。全米レコード産業協会(RIAA)からもプラチナ認定を受けるといった、大ヒットを記録した作品です。
ちなみにこの『Over It』、わずか3週間で完成したのだとか。
2020年以降の活動
2020年の7月10日には、EP『Life on Earth』をリリース。
この作品でも「R&Bアルバム」チャートで1位を記録した他、BETアワードでは、「最優秀新人アーティスト賞」と「最優秀女性R&B/ポップ・アーティスト賞」にノミネートされています。
ちなみに式ではアッシャーと「Session 32」、「Come Thru」が披露されたようです。
音楽に磨きをかけたのは自宅
現在のような歌手になる以前はストリップクラブで働いていたというサマー・ウォーカーが、自分の音楽に磨きをかけたのは自宅だったそうです。
「私はいつもギターを弾くのが好きだったの。私は夜にこっそりバスルームに入って弾いていました。私は4つのコードしか弾けないけど、それを微調整する方法を知っているだけです。」CLASH
サマー・ウォーカーの音楽は「正直なR&B」というブランド価値がある
彼女は曲を書くたびに自分をさらけ出す癖があるからこそ、ファンは彼女の言葉に惹かれ、その言葉にすがりつくのだ。CLASH
とウォーカーの音楽は評されていて、
例えばヒット曲の「Girls Need Love」では、「女性は男性と同じように性的にアクティブになれない」という神話を否定して、
「親密さに関しては平等な立場にあるということを人々に知ってもらおうとしている曲だと思うわ」CLASH
と、自分の考えを素直に表現する正直さを持っています。また、
何か気になることがあっても、それを抱え込んでいるのが好きなんだ。だから私の曲は感情的なものが多いんだ。93.9 WKYS
と感情的なリリックの裏側も語っています。
サマー・ウォーカーは口数の少ない性格の持ち主
インタビューには滅多に応じず、シャイな性格と言われるウォーカー。そんな彼女が応じたインタビューの質問では、
「日常的に社交的であることが求められる業界では、どうやって不安の壁を乗り越えているのでしょうか?」
というものがありました。これに対し彼女は、
「不安を抱えたままパフォーマンスをするのは難しいです。私はパフォーマンスをするときには、決して騒々しいことはしたことがありません。でも、彼らが私の歌詞を歌い返してくれて、私たちはその瞬間を共有するのはいいことだと思うわ」CLASH
(「彼ら」というのは恐らくファンのことだと思います)と語っていて、それは彼女自身でも、
「人前に出るのが好きではなかったし、注目の的になるのが好きではなかったの。とても神経をすり減らすことになります。ドアの下に音楽をスライドさせて、みんなに楽しんでもらえたら最高なんだけどね。」93.9 WKYS
と性格の内向さを語っています。こういったシャイな部分ともストレートに向き合っている姿が人々の共感を得ているとも言われているのかもしれないですね。
という訳で今回はここまでです!
最後まで読んでいただきありがとうございました!!
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Los Angeles Times
93.9 WKYS
Ones To Watch
CLASH
Thumbnail Image:Summer Walker:Facebook