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Jhene Aiko(ジェネイ・アイコ)とは / 誠実な歌声で魅せるヒーリングシンガー

Artists Music R&B

これまでに6度のグラミー賞ノミネート実績を持つ、2000年代初頭から活躍する最も著名なR&Bアーティストの一人であるJhené Aiko(ジェネイ・アイコ)。ネガティブな面からポジティブな面まで、誠実にありのままの姿を歌詞に反映し、斉美な歌声で人々を魅了するシンガーです。

今回はJhené Aikoのこれまでの歩みを深掘りしつつ、彼女を知る上で押さえておきたい10のヒットソングの紹介をしていきます。

目次

  1. Jhene Aikoの半生をたどる
    音楽に馴染み深い一家で育つ
    10代前半でレコード会社契約アーティストに
    愛娘の出産を経て、音楽活動に本格専念
    No I.D.との出会い / スターダムへの階段を登る
    『Trip』のリリース / 暗闇から光への旅
    『Chilombo』のリリース / 人々を癒す存在へ<
  2. Jhene Aikoのヒットソング
    1.The Worst
    2.Sativa ft. Rae Sremmurd
    3.P*$$Y FAIRY (OTW)
    4.Triggered (freestyle)
    5.While We’re Young
    6.Stay Ready (What A Life)
    7.None Of Your Concern
    8.B.S. ft. H.E.R.
    9.Never Call Me feat. Kurupt
    10.Bed Peace ft. Childish Gambino

Jhene Aikoプロフィール

名前 Jhené Aiko(ジェネイ・アイコ)
本名 Jhené Aiko Efuru Chilombo(ジェネイ・アイコ・エフル・チロンボ)
生年月日 1988年3月16日
出身 カリフォルニア州ロサンゼルス
主な作品 ALBUM
・『Souled Out』2014
・『Trip』2017
・『Twenty88』2016(Big Sean Collaboration)
・『Chilombo』2020
EP
・『Sail Out』2013
MIXTAPE
『Sailing Soul(s)』2011

Jhené Aiko(ジェネイ・アイコ)は、本名Jhené Aiko Efuru Chilombo(ジェネイ・アイコ・エフル・チロンボ)。カリフォルニア州ロサンゼルス出身のシンガーです。

スムースで柔らかく誠実な歌声の持ち主で、「大胆なセクシーさ」「悲しみや痛みからくるメンタリティ」「癒しを与える音楽の追求」など、多面的で素直なリリック・作品をリスナーに届けてきました。

2000年代初頭、10代前半でエピックレコードと契約し音楽デビューを果たすと、レーベルメイトの大人気ボーイズグループB2Kとの客演で注目を浴びます。学業に専念するためレーベルを脱退するも、娘のNamikoの出産経て音楽への意欲が再燃。

2011年のカムバックミックステープ『Sailing Soul(s)』で再注目された後、プロデューサーのNo I.D.と出会いでデフ・ジャム傘下のレーベル「Artium」と契約。2013年のEP『Souled Out』はデフ・ジャム史上最も売れたEPとなり、翌年のデビューアルバム『Souled Out』も絶賛され、2014年のベストアルバムの一枚にも名のあがる作品となりました。

成功の裏では「最愛の兄との別れ」という、悲しみとの闘いの日々を経験しながらも、それを昇華するセカンドアルバム『Trip』を発表。肉体的、精神的、感情的な負担を「サイケデリックな旅」をテーマとして表現し、米ビルボード200チャートで初登場5位を獲得しました。

2020のサードアルバム『Chilombo』では、人々へ癒しを与える音楽を追求。多大に絶賛された『Chilombo』は米ビルボード200チャートで2位を獲得し、グラミー賞3部門にノミネートされました。

若いボーカリストから、熟練したシンガーソングライターとして成長した彼女は、R&Bをはじめとする音楽シーンで最も尊敬されるシンガーの一人として開花し続けています。

Jhene Aikoの半生をたどる

音楽に馴染み深い一家で育つ

Jhené Aiko(ジェネイ・アイコ)は、日本・スペイン・ドミニカ共和国の血を引く母と、黒人・ネイティブアメリカン、ドイツ系ユダヤ人の血を引く父との間に生まれました。

姉は歌手のMila J。90年代のR&Bグループ「Gyrl」でも活躍

5人兄弟の末っ子で、姉のJamila(ジャミラ / 歌手「Mila J」としても知られる)とMiyoko(ミヨコ)は、1995年デビューのR&Bグループ「Gyrl(ガール)」で活動。母親はグループのマネージャーを勤めていました。また、父親は医者でありつつも、ミュージシャン志望で、家のガレージをスタジオに改造したりして作曲をしていたそうです。

「姉たちはずっと歌のグループに入っていて、母がそのマネージメントをしていたので、私はいつも撮影やショーに連れて行ってもらったんだ。」Glass magazine

「小児科医をしてる私の父は、ミュージシャンになりたいと思っていたみたい。ギターを弾き、歌い、作曲をする。私が育った家にもスタジオを作ったの。父の趣味が兄姉の趣味に火をつけたと思うし、私が生まれたとき、姉たちや兄たちがやっているのを見ていて、とても尊敬していたわ。」KayKiSpeaks

Gyrl – Play Another Slow Jam

そんな音楽一家な環境で育った彼女は、小学2年生の時に出たタレントショーで「上手だね」と言われたのがきっかけで、音楽にのめり込んでいったそうです。

10代前半でレコード会社契約アーティストに

R&Bグループ「Gyrl」として活動していた姉たちは、音楽マネージャー/プロデューサーのChris Stokes(クリス・ストークス)という人物と一緒に仕事をしていました。クリス・ストークスは、2000年代に人気を博したボーイズR&Bグループ「B2K(ビー・ツー・ケイ)」の立ち上げに携わった人物でもあります。

「クリスは私の母に、私の姉たちと一緒にグループで仕事をすることを持ちかけ、姉たちはクリスが持っていた様々なグループで仕事をするようになったの。」ALL HIPHOP

大人気ボーイズグループ「B2K」と仕事をこなす日々

B2Kが本格始動した2000年初頭、まだ10代のJhene Aikoはクリスに歌の才能を見出されました。クリスのプロダクションであるTUG(The Ultimate Group)を通じ、Epic Records(エピック・レコード)と契約。当時まだ12〜3歳だったといいます。(ちなみに知り合ったのは5〜6歳の頃からだそう)

「ある日、私の歌を聴いて、 “よし、じゃあ、年頃になったら一緒にやろう!” と言ってくれたんだ。私は学校にも行っていたし、”ああ、なんでもいいや” という感じだった。B2Kと契約した時も、 “よし、契約したんだから、彼女も入れてやろう” っていう、おんぶにだっこのような契約だったよ。」ALL HIPHOP

そんな繋がりもあって、若い頃のJhene AikoはB2K作品のいくつかに客演参加し、注目を浴びました。B2K「Why I Love You」のMVでは若かりし頃の彼女が見られます。(ちなみにB2KのメンバーLil’ Fizzの「いとこ」としても売り出されていました*1)

B2K – Why I Love You

*1 Jhene AikoはB2Kのいとこ?

Jhene AikoがB2Kとよく仕事をしていた当時、「B2KのメンバーLil’ Fizz(リル・フィズ)のいとこ」として売り出されていました。実際には血縁関係はないそうです。Jhene Aikoの一番上の兄とリル・フィズが過去にグループを組んでいたことがあり、小さい頃から「いとこ」と呼び合うくらい仲がよかったことから、レーベルが「いとこの体でいこう」となったのだとか。彼女はインタビューで当時のことを「レーベルのマーケティング的な意味合いもあったんだと思う。」と振り返っています。

愛娘の出産を経て、音楽活動に本格専念

2003年、16歳になる頃に彼女は高校を卒業するため、レーベルとの契約解除を願い出ました。レーベルでの活動(MCをしたり、オープニングを飾ったり、大勢を前にする舞台に立てた経験)は「とても良い経験だった」と語っています。しかしまだ年齢も若かったこともあり、右も左も分からない状況での活動は、全てが楽しいものではなかったようです。

「12歳か13歳のときにSony/Epicと契約したんですが、私も若かったので、あまりいい経験ではなかったね。彼らは私に服装を指図し、どんな歌を歌うべきか、どんなイメージを持つべきか、その他もろもろを指図したんだ。楽しい経験ではなかったわ。」ALL HIPHOP

レーベルを離れ学校を卒業したあとは、「West Los Angeles College(ウェスト・ロサンゼルス・カレッジ)」に入学。そんな中で愛娘であるNamikoの妊娠が発覚します。

2008年にNamikoを出産したあと、2年も経たないうちに音楽活動を再開&専念。プロデューサーデュオのThe Fisticuffs(ザ・フィスティカフス)とともに制作期間は約9ヶ月の「じっくりと腰を据えて取り組んだ」というミックステープ『Sailing Soul(s)』をインディーズでリリースしました。

「娘を出産した後、母親業に慣れてきて、他のことに集中する時間ができたから、ミックステープの大部分を制作したFisticuffsと一緒に「Sailing Souls」を始めたの。 ただ何か出したかっただけなんだ、露出のためとか、契約を取るためとか、そういうのじゃないわ。」EARSTYLE

『Sailing Soul(s)』

No I.D.との出会い / スターダムへの階段を登る

2012年、彼女はプロデューサーのNo I.D.(ノー・アイディー)と出会います。彼との出会いにより、「新たなレーベル契約」と「ヒット作品のリリース」へと道が開きます。

「当時は、どのレーベルとも契約することに懐疑的だったんだけど、彼はクリエイティブな人間で、プロデューサーだから、レーベルの重役のような態度は取らないのよ。彼はクリエイティブであること、そしてそのアートについて本当に考えているんだ。それはとてもいいことだと思ったし、今でもそう思っているわ。「この人は私のボスだ!」という感じではなく、パートナーシップのような感じがする。」ALL HIPHOP

「ただ指示に従うだけ」で、自分らしさを出せなかった以前のレーベル契約とは違い、No I.D.とは対等な立場でクリエイトできる面に好感を持ったようです。

この繋がりにより、No I.D.のレーベル「Artium(Def Jam傘下のレーベル)」と契約します。

EP『Sail Out』/アルバム『Souled Out』のリリース

No I.D.の協力を得た彼女は2013年11月12日に、ARTium/デフジャムからデビューEP『Sail Out』をリリースしました。

『Sail Out』は、Kendrick Lamar、Ab-Soul、Childish Gambino、Vince Staplesなどのラッパーをフィーチャーした作品で、「全米ビルボード200チャート」では初登場8位、第57回グラミー賞では「ベストコンテンポラリーアルバム賞」にノミネートされました。Jhene Aikoの最初のヒットとして広い人気を獲得した作品であり、デフ・ジャム史上最も売れたEPでもあったのだとか。

EP『Sail Out』

更に翌年2014年9月8日には、デビューアルバム『Souled Out』をリリース。「全米ビルボード200チャート」で3位、「USトップR&B/Hip-Hopアルバムチャート」で1位を獲得し、複数の音楽メディアで「2014年のベストアルバムの1枚」にも選ばれました。

『Souled Out』

成功の裏で、最愛の兄のとの別れに苦しむ日々

Jhene Aikoが兄妹の中でも最も仲の良かったという兄のMiyagiは、2010年に脳腫瘍を診断され、2年間の闘病の末26歳という若さで亡くなりました。

「兄のいない人生なんて考えたこともなかった」という彼女はこの悲しみに対処するため、市販の睡眠薬から依存性のあるドラッグまで、さまざまなものに手を出したといいます。

「私は忙しくして気を紛らわせた…そして、どんな手段を使ってでも、平和な場所に逃げ込もうとした。」Los Angels Times

「ハイになれば兄のもとへ行けると思い、幻覚剤も試しましたが、兄から遠ざかるばかりだった。」Los Angels Times

その後数年は、喪失の痛みと闘う日々が続いたそうです。

2015年頃、特に辛い時期には一人でビッグ・サー(カリフォルニア州のセントラルコーストにある海岸線)まで車を走らせ、自分と向き合う旅に出ました。ハイキングをしたり、途中でボイスメモを録ったり、幻覚作用のあるキノコでリラックスしたり…。

セカンドアルバムの『Trip』は、この時期の経験が元になっているのだそうです。作品を細かく読み解くと、当時のメンタリティがいかに複雑なものであったかが分かります。

『Trip』のリリース / 暗闇から光への旅

2017年9月22日にセカンドアルバム『Trip』がリリースされます。『Trip』は、「MAP(Movie/Album/Poetry)」という三つの作品から成るプロジェクトの一部でもあり、短編映画の『Trip』、詩集の『2Fish』で構成されています。

「アルバムを出すことに興味はなかったし、出す必要もなかったんだけど、自分の書く力をもっと試したいと思って、この映画『Trip』を作ったの。でも、この映画にはオリジナルの音楽もつけたいと思っていて、それがそのままアルバムになったという感じ。」HYPEBAE

Trip (The Movie)

兄を失った苦しみと戦った数年間、苦しみや痛み、恋愛における喜びを乗り越えていくためのために続けてきた旅の集大成がこの「MAPプロジェクト」です。

「詩集を出すには十分すぎるほど、この5、6年書いてきた詩は、ただ打ち込むだけで、もうすべてそこにあったわ。」HYPEBAE

「LSD」「Sativa」など、嗜好品やドラッグの名前が楽曲になっている通り「サイケデリックな旅」がアルバムテーマの一つです。しかしながら、根幹には「悪癖への奔走」や「空虚さの穴埋め」など、彼女の当時のメンタリティや、人生とどのように向き合うかが描かれた作品なのが奥深いところです。

パートナーBig Seanとのコラボ作『Twenty88』

ちなみに2016年4月には現在のパートナーでもある、ラッパーのBig Sean(ビッグ・ショーン)とタッグを組んで『Twenty88』をリリースしています。

「90年代のR&Bと70年代の実験的なロック/ソウルを思わせるアルバム」と言われる作品で、当時はまだ友人同士だった二人が「恋人役」を演じたフレッシュなデュエットを楽しめます。

『Chilombo』のリリース / 人々を癒す存在へ

2020年3月6日には、サードアルバム『Chilombo』をリリースしました(埋め込みリンクは2020年7月17日リリースのデラックス版です)。Jhene Aikoの本名でもある「Chilombo」というタイトルにはそれぞれ意味があるのだとか。

  • 「CHI」=生命力
  • 「L」=愛(愛とは価値あるエネルギーで生きること。この瞬間に完全に存在することによって、未来を大切にすること。)
  • 「OM」=宇宙の音
  • 「B」=ベース。土台、基本、始まり
  • 「O」=永遠、無限、全体性、完全性

「クリスタルアルケミーサウンドボウル」という楽器を全曲に取り入れた『Chilombo』は、サウンドヒーリングを深く掘り下げ、「癒し」にフォーカスして作り上げた作品だそうです。

「ファンの方々から、私の音楽を聴く理由をたくさんお聞きし、私の創作活動の目的は、人々の癒しと変容を助けることであると気づいたんだ。クリスタルボウルの波動と音色が、私自身の癒しに役立っていることに気づいたとき、私の音楽にクリスタルボウルを取り入れることがとても重要になった。音とその癒し効果について勉強すればするほど、自分の音楽に癒しの意図を込めるようになったの。」E! News

ファンからのフィードバックによって、アーティストとしての自分の力を認識。「共感だけでなく、体のバランスを整えたり、気分を良くしたり、曲を聴くことが実際の体験になるようなものにしたかった」とも語っています。

『Trip』プロジェクトでの「逃避」や「悲しみとの闘い」の旅を終え、人々を癒す「ポジティブな存在」へとステップアップしているのがわかりますね。

彼女のヒーリングサウンドの魅力はタイニーデスクコンサートのパフォーマンスにも詰まっていますので、是非あわせて見てみて下さい。

Jhené Aiko: Tiny Desk (Home) Concert

関連記事:NPR Music タイニーデスクコンサートのススメ【15選】

Jhene Aikoのヒットソング

1.The Worst

リリース:2013年11月12日
収録作品:『Sail Out』

Jhene AikoのデビューEP『Sail Out』に収録。「ビルボードホット100」43位獲得、「2014年BETアワードでセントリック賞」受賞、「第57回グラミー賞のベストR&Bソング」にノミネートされた曲です。

この曲は、JAY-Zの2003年のシングル「Excuse Me Miss」をサンプリングしたこの曲は、Jhene Aikoの過去の恋愛からインスパイアされたものだそうで、恋人への憎愛が色濃く表現されています。

I don’t need you but I want you
私はあなたを必要としないけど、あなたが欲しい

この一文からも、行き過ぎた感情が伺えますね。

また、本人が「不気味な作品にしたかった」と語るミュージックビデオからも、この不穏&不気味な空気感が伝わると思います。

「デートとか、何かうまくいかないとか、そういうのだけだとつまらないじゃない。ある意味、不気味な作品にしたかったの。ここで一体何が起こったんだろう?なぜ彼女はピーナッツバターサンドイッチを食べているんだろう?ちょっとミステリアスな感じで。」yahoo!entertainment

最後にJheneが殺人罪に問われる様子は、以前のボーイフレンドに対して抱いていた「その感情を殺す」ことの比喩表現なのだとか。

2.Sativa ft. Rae Sremmurd

リリース:2017年9月22日
収録作品:『Trip』

アルバム『Trip』からのセカンドシングルで、先程紹介した曲「The Worst」もプロデュースしたデュオThe Fisticuffsのプロダクションに加え、Rae Sremmurdがフィーチャーされた曲です。YoutubeのMVはなんと2.9億再生を超えてます。

サティバ(大麻の品種・製品)、という、当時のJhene Aikoが好んでいた娯楽・嗜好品を味わっている様子が伺えるチルサウンドです。

ちなみに曲のタイトルを考えたのは先述のデュオ、The Fisticuffsだそう。

3.P*$$Y FAIRY (OTW)

リリース:2020年1月17日
収録作品:『Chilombo』

Jhené Aiko3枚目のスタジオアルバム『Chilombo』のサード・シングルです。

この曲はベッドルームシーンの出来事について、魅惑的に歌い上げている曲で、ある記事では「これは親の前では流さない方がいいかもしれないね。」と書かれていました。(たぶん色っぽすぎるから)それぐらい露骨な表現で歌われた歌なのでしょう。

この曲のタイトルは、Aikoがボーイフレンドに「今夜、プッシー・フェアリーの訪問を望む?」と訪ねたときに生まれたのだとか。

MVは一曲まるごとダンスを披露していて、公式でガッチリダンスメインの動画も上がってます。

4.Triggered (freestyle)

リリース:2019年5月8日
収録作品:『Chilombo』

こちらもアルバム『Chilombo』からのシングルカット。元カレへの言葉をベースに、Jhene Aikoがフリースタイルで自分の内面、恋愛におけるフラストレーション・心情を吐露した歌です。

「自分の感情から逃げる代わりに…自分の感情を表現し、心に浮かんだことを何でも口にする必要があることに気づいたわ。控えめに言っても癒された…そして今、私はもう少し自由だと感じているの。」Genius

この曲は、別れた相手を罵るようにして傷ついた感情を吐露した曲です。恋仲だったビッグ・ショーン(現在は仲睦まじく、第一子も妊娠しています)へのディスソングだと勘違いされたそうですが、「ディスソングではない」と公式に述べているそうな。

あくまでも口にして、歌にしたことでセラピー効果を求めた部分が大きかったようです。不安やストレスを書き出すことでトラウマを克服する「エクスプレッシブ・ライティング(筆記開示)」という手法に近いものがあったのかもしれません。

5.While We’re Young

リリース:2017年6月9日
収録作品:『Trip』

アルバム『Trip』からのファースト・シングル。愛する人と逃げ出すことを歌った曲で、フレッシュな恋心も感じられる一曲。

「”While We’re Young”は、私の理想の恋愛のシチュエーションよ。新しい恋の感覚でもあり、ある種ナイーブで初めて誰かに恋をして、何事にも超楽観的になっているときのもの。それがこのアルバムの中のラブストーリーの始まりなんだ。」npr

MVは2004年の映画『50 First Dates』をオマージュしたものだそう。

6.Stay Ready (What A Life)

リリース:2013年11月12日
収録作品:『Sail Out』

EP『Sail Out』に収録されたKendrick Lamarとのコラボレーション曲。「Stay Ready」と、「What A Life」の二曲が続く二部構成の曲です。

There's no place quite like here
ここほど素敵な場所はない
There's no better time than now
今ほど良い瞬間はない

とフックを歌う前半の「Stay Ready」はパートナーとの親密な関係についてを表現。後半の「What A Life」は、彼女の人生観を反映した内容で、「What a life we die to live in(私たちはどんな人生を生きるために死ぬのだろう)」というメッセージを残しています。

7.None Of Your Concern

リリース:2019年11月15日
収録作品:『Chilombo』

サード・アルバム『Chilombo』のセカンド・シングル。Jhené AikoのパートナーでもあるラッパーのBig Seanと、Ty Dolla $ignのボーカルがフィーチャーされています。

当時の「元恋人」の関係にあったBig Seanとともに、過去の恋愛や失敗した関係について振り返り、前に進もうとするロマンスと破局の歌です。

この曲は完成までに最も時間がかかった曲のひとつなのだとか。

8.B.S. ft. H.E.R.

リリース:2020年3月6日
収録作品:『Chilombo』

『Chilombo』の5曲目に収録された一曲。カリフォルニア州ヴァレーホ出身のシンガーH.E.Rとの初コラボレーションの曲です。

Done fuckin' with you don't know how to love me
あなたとはもう終わり あなたは私の愛し方を分かっていない

と歌うこの曲は、足を引っ張る恋人から離れ、その後の自由を謳歌したい気持ちが表現されています。

「他人がどう思うかは気にせず、自分のやりたいことをやることに立ち戻る」と、自立心のある恋愛ソングです。

関連記事:H.E.R. / 匿名でデビューした若きR&Bアイコンの正体

9.Never Call Me feat. Kurupt

リリース:2017年9月21日
収録作品:『Trip』

この曲はJhene Aikoの元夫でプロデューサーのDot The Geniusとの関係をベースに、そこから前に進もうとする歌です。この曲を書いていた時期がその破局の真っ最中だったのだとか。

ミュージックビデオは2バージョン展開されていて、「Slauson Hills Edition」は地元でもある西海岸への愛が詰まったもの。姉のMila Jをはじめ、Dom Kennedy、Hit-Boy、Jay 305、Nipsey Hussleなどのスーパースターたちがカメオ出演しています。

またもう一つの「Asian Version」には、Jhene Aikoのルーツでもあるアジアのテイストが盛り込まれています。

Never Call Me (Asian Version) ft. Kurupt

10.Bed Peace ft. Childish Gambino

リリース:2013年9月17日
収録作品:『Trip』

デビューEP『Sail Out』からのリードシングル。俳優Donald Gloverとしても有名なラッパーChildish Gambinoとの初コラボレーション曲です。

「この曲では、違うアプローチで、私と完璧な恋人にとって完璧な一日がどんなものかを話すことにしたの。この曲は、たまにはゆっくりして、今以外のことは気にしないっていうことを歌っているのよ」Song facts

いつも失恋の悲しい恋愛についてを書いている彼女が、「もっと遊び心のあるものを作りたい」と思ったところから出来た曲なのだそうです。

最後に

以上、シンガーJhene Aikoの紹介でした。最後に彼女が「不安を感じている女性へのアドバイス」として、素晴らしいメッセージを述べていたので引用させていただきます。女性問わず、どんな人にも刺さる内容かと思います。

「不安を感じている女性へのアドバイスは、ソーシャルメディアから離れ、自分を比較するのをやめること。これは間違いなく誰にでも影響することよ。私たちは常に自分を比較し、あるタイプの美しさが最高の美であると言われている。比較は喜びの泥棒であり、多くの不安はここから生まれるわ。あなたを美しくしているのは、あなたの独自性よ。メディアから離れ、自分自身と向き合ってみてください。競争したり、比較したりすることなく、自分自身だけですべてであり、それ以上であることに気づかなければならないわ。」Marie Claire

SNSでの比較が自分のメンタルを悪い方向へ向かわせる感覚は、自分にも心当たりがあります。。これだけビッグになったアーティスト達のあいだでも「自己愛の重要性」が語られているのは、誹謗中傷だけでなく、「人間の欲は果てしなく、上には上は絶対にいる」という心理の裏返しかもしれませんね。

大きな悲しみや辛さに打ち勝ってきた彼女の言葉は重みがあります。

それでは今回はここまで。最後までお読みいただきありがとうございました。

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Reference

IMBd「Chris Stokes Biography」
ALL HIPHOP「Jhené Aiko Talks Signing With No I.D., Working With The Weeknd’s Producers & Why She Left Chris Stokes’ T.U.G. Camp」
Los Angeles Times「Jhené Aiko was in search of healing and her new project ‘Trip’ helped her find it」
SoulCulture「Jhene Aiko talks integrity, industry, motherhood & honest music」
LA WEEKLY「JHENE AIKO WINS WITH THE HAND SHE’S DEALT」
KayKiSpeaks「KayKi Speaks with Jhene Aiko About New Sailing Souls Mixtape!」
Know Name Blog「INTERVIEW: THE SAILING SOUL JHENE AIKO」
EARSTYLE「Exclusive Interview: Jhene Aiko – Sailing, Not Selling」
NYLON「JHENÉ AIKO IS OUR NOVEMBER COVER STAR」
Entertainment Weekly「Jhené Aiko on recognizing her power while creating the Album of the Year-nominated Chilombo」
E! News「Jhené Aiko On Incorporating Sound Bowls Into Her Music To Help Others ”Heal”」
Glass magazine「Glass speaks with Jhené Aiko, the R&B singer combining music, art and writing to heal scars」
HYPEBAE「WE SPEAK ONE-ON-ONE WITH JHENE AIKO ON FREEING THE MIND」

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facebook.com/JheneAiko