2024年3月 / 今月のチェックマーク作品リスト

その月にリリースされたもので、チェックマークを是非とも付けておきたい作品(アルバム・EP・ミックステープなど)をピックアップする記事です。

ということで、3月は以下のラインナップとなっております〜。

1. Schoolboy Q – 『BLUE LIPS』


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カリフォルニア出身、Top Dawg Entertainment(TDE)に所属するラッパーSchoolboy Q(スクールボーイ・キュー)の2019年『CrasH Talk』以来となる6枚目のアルバム。Ab-Soul、AzChike、Childish Major、Devin Malik、Freddie Gibbs、Jozzy、Lance Skiiwalker、Rico Nastyなど、多彩なアーティストがゲスト参加しています。

2019年から制作が開始されたのだそうで、プロダクションの微調整に至っては2年もの年月をかけたのだとか。本作は過去の問題行動や困難な生活から距離を置き、過去の自分と向き合い、新しい自分へと成長していく過程を表現しているそうです。

サウンド面ではハードコアなものや、実験的な印象を受けるトラックがあったりと、トラックごとに印象がガラリと変わる多彩な作品です。

2. Cookin Soul & Raz Fresco – 『BAKIN SOUL』


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スペイン出身のプロデューサーCookin Soul(クッキン・ソウル)と、カナダのオンタリオ州ブランプトン出身のラッパーRaz Fresco(ラズ・フレスコ)のコラボ作。Tha God Fahim、Lord Apex、Estee Nack、The Musalini、Dano、Lil Supa、Gritfallなどがフィーチャーされています。

ラズ・フレスコのヨーロッパ・ツアーに同行したことがきっかけでできたという10曲入りアルバムで、スタジオに2日間こもって作ったのだとか。

Cookin Soulお馴染みの巧みなブーンバップトラックと、Raz Frescoのレイドバックで弾力のあるラップが見事に絡み合ってます。

3. Jay Worthy, LNDN DRGS, Sean House – 『Affiliated 2』


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カナダ出身、カリフォルニア州コンプトンのラッパーJay Worthy(ジェイ・ワーシー)と、同じくカナダ出身のプロデューサーSean House(ショーン・ハウス)からなるヒップホップデュオLNDN DRGS(ロンドン・ドラッグス)のアルバム。

リラックスした西海岸の雰囲気が特徴で、Del the Funky Homosapien、Lil’ Keke、Trae tha Truthなど、様々なアーティストがフィーチャリングされています。

ファンクやR&Bを感じる、緩やかなBPM感ビートと、Jay Worthyの落ち着いたラッピングスタイルがバッチリでした。

4. 2AM – 『For You, Forever』


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南アフリカを拠点に活動する、シンガー・ソングライターの2AMの8曲入り作品。率直で正直、傷つきやすいというテーマが一貫してあるという彼の最新作は、甘く切ないバラード、シルキーなディープトラックなど、ロマンティックなサウンドスケープを提供してくれるR&Bプロジェクトです。

5. Flo Milli – 『Fine Ho, Stay』


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アラバマ州モービル出身のラッパーFlo Milli(フロー・ミリ)の2枚目のアルバムで、彼女の「Ho」シリーズの3作目。アルバムのハイライトの一つ、「Never Lose Me」のRemixにはカーディ・B、SZAがフィーチャーされ、その他にもガンナ、Monaleoなどのアーティストが作品にゲストで参加しています。

恋愛や性的な競争に焦点を当てた作品で、巧妙でユニークな彼女の音楽スタイルを反映させた、個性が爆発する作品です。

6. senpu – 『WHY』


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パリ出身のプロデューサー/シンガー、Senpu(センプ)の最新作。ソウル、ポップ、エレクトロミュージックと、彼のサウンドを特徴付けるスタイルを多用しながら、独自のR&Bの質感を感じさせます。

彼のスムースな歌声も心地よく、気分を落ち着かせたい時には最高の作品です。

7. Kenya Vaun – 『The Honeymoon Phase』


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フィラデルフィア出身のR&BシンガーKenya Vaun(ケニヤ・ヴォーン)のデビューEP。彼女の個人的な成長や、愛の多様な面をテーマにした作品です。

彼女の音楽はローリン・ヒルやメアリー・J・ブライジなどに影響を受けているそう。クラシックなR&Bの要素を感じさせながら、彼女独自の音楽へと昇華してるのを感じました。

また、特徴的なヴォーカルも魅力の一つです。

8. Tyla – 『TYLA』


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第66回グラミー賞「最優秀アフリカン・ミュージック・パフォーマンス賞」を受賞した、ヒットシングル「Water」でも話題のシンガーTyla(タイラ)のセルフタイトルデビューアルバム。

アーティストとして、一人の人間としての彼女を紹介することを目的としていると表明する作品で、「Water」以外にも、「Truth or Dare」「Butterflies」などが収録。

南アフリカの伝統、アマピアノ音楽を新しい形のポップソングの形として昇華した注目作だと思います。

関連記事:Tyla「Water」を考察&解説 / 挑戦的で魅惑的なサマーチューン

9. THEHONESTGUY – 『VELVET SOUL: SIDE A』


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カナダ出身のシンガーソングライターTHEHONESTGUY(ザ・オネストガイ)の3曲入りシングル作品。ファンク、ソウル、R&Bを融合させた音楽スタイルからくる、スムースでシルキーなエッセンスが散りばめられています。

穏やかな早朝にも、ナイトクルージングにも、さまざまなシーンで聴きたいグルーヴィーな3曲です。

10. SiR – 『HEAVY』


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カリフォルニア州イングルウッド出身のシンガーSiR(サー)の最新作。

COVID-19パンデミック中に彼が経験した薬物依存とその克服に焦点を当てたというアルバムで、彼がが自分自身と向き合い、成長した証を示しています。彼の音楽キャリアにおいても一つのターニングポイントと言える作品です。

「これらの経験がアルバムを形作ったって言えて俺は幸運だね。後悔してるって言えないよ。なぜなら、俺の悲劇はいつも証言に変わるから、俺は恵まれてるんだ。」ESSENCE

11. Beyoncé – 『COWBOY CARTER』


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現代のクイーンの一人、Beyoncé(ビヨンセ)による、アメリカーナ、カントリーミュージックなどの要素が融合されるコンセプトアルバム。ビヨンセが計画している三部作の第二作目です。

テキサス州ヒューストン出身の彼女。アメリカのカウボーイ文化や彼女の子ども時代の経験が反映されており、アメリカ南部の音楽や文化が色濃く表現されています。

また、多くのBlackミュージシャンがカントリーミュージックの発展に寄与してきた歴史的背景を反映し、カントリーミュージックにおいてBlackミュージシャンの役割を強調した作品でもあるそうです。

12. Buddy – 『Don’t Forget To Breathe』


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カリフォルニア州コンプトン出身のラッパーBuddy(バディ)の最新作。アルバムのタイトルは「忘れずに呼吸をしよう」という意味ですが、これはただのフレーズではなく、彼の人生での大きな変化や学びに基づいているのだとか。

アルバムを作る過程で、彼はポルトガルに行き、一人旅や瞑想、ヨガなどを通じて内面と向き合いました。これらの経験が彼の音楽や人生観に大きく影響を与えたそうです。

「ポルトガルに行ってきたんだ。本当に自分と向き合ったよ。一種の個人的なリトリートみたいなものでね。仕事じゃなくて、一人で旅行したのはこれが初めてだった。」Exclusive! Buddy’s ‘Don’t Forget To Breathe’: Inside The Album

彼はまた、日常生活で忘れがちな「呼吸」についても語っており、アルバムの中でこれがどのように重要な役割を果たしているかを探求。

呼吸を意識することで得られる落ち着きや、感情のコントロールが改善されることなど、普段の生活においても彼は多くのポジティブな変化を感じていると言います。

このアルバムは、ただの音楽アルバムではなく、彼の成長と変化を伝える手段となっているようです。

13. Omarion – 『SexSonics』


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R&BスターOmarion(オマリオン)の7曲入り最新EP。甘いR&B作品で、彼の典型的なスタイルの反映を感じつつも、特にムーディーな歌声にフォーカスされているような印象を受けました。

バラード調の曲を中心として、BGM的な聴き方よりも、深く聴き入っていきたい一作です。

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