2023年7月 / 今月のチェックマーク作品リスト
その月にリリースされたもので、チェックマークを是非とも付けておきたい作品(アルバム・EP・ミックステープなど)をピックアップする記事です。
7月は以下のラインナップとなっております〜。(※前月末の作品も含まれます)
- 1.Terrace Martin - 『Fine Tune』
- 2.Mahalia - 『IRL』
- 3.Black Milk - 『Everybody Good?』
- 4.Bloo Azul , Spanish Ran - 『Bloo Moon 2』
- 5.Nas - 『Magic 2』
- 6.Wakai - 『Some People Scream, Some People Talk』
- 7.Terrace Martin - 『Curly』
- 8.Fly Anakin - 『Skinemaxxx (Side B)』
- 9.Psalm One - 『THE RETURRN OF BIGG PERRM』
- 10.Tony Touch - 『Tony Touch Presents: The Def Tape』
- 11.CHIKA - 『SAMSON: THE ALBUM』
1.Terrace Martin – 『Fine Tune』
LAを拠点に活動している、グラミー賞ノミネートされたアーティスト/プロデューサーのTerrace Martin(テラス・マーティン)の新作。シンガーH.E.R.のデビューアルバム『Back of My Mind』のセカンドシングル「Dmage」、SZAの「Snooze」などのカバーを含む極上の12曲が収録された作品です。
『Fine Tune』は、彼が最近結んだ大手音楽会社のBMGに関連する、自身のレコードレーベル”Sounds of Crenshaw(サウンズ・オブ・クレンショウ)”からリリースされました。2023年を通した6枚リリースされるうちの一作目が本作だそうです。
ちなみにこの作品は僕の地元(岩手)の先輩DJのCANPIANOさんに教えて頂いた作品で、彼がコンスタントにリリースしている『Rapmix』というシリーズにも「Dmage」が収録されているので、合わせてお聴き頂けたらと思います。
2.Mahalia – 『IRL』
イギリスのシンガーMahalia(マヘリア)の2ndフルアルバム。Stormzy、Joyce Wrice、Kojey Radical、Destin Conrad、JoJoなどがフィーチャーされています。
「IRL(IN REAL LIFE)」のタイトルが物語るように、彼女の人生経験を反映した作品だそうです。
「これは私が経験した旅、本当に起こったこと、そして私をそこまで導いてくれた全ての人々への祝福を反映しているんだ。名前や家族のメンバーを挙げてるのも、その全てが私を形作るのを助けたから。このアルバムをとても誇りに思うし、自分のストーリーを吐き出すためにどれだけ自分自身に挑戦したかにも、誇りに思うよ。」COMPLEX UK
ポップな曲、アンビエントな曲、バラードソング、ディープな曲まで、マヘリアの軸・魅力が活きつつの多彩な作品です。
3.Black Milk - 『Everybody Good?』
デトロイトの気鋭なプロデューサーでラッパーのBlack Milk(ブラック・ミルク)の、8枚目となる新作アルバム。シンセ感、エレクトロニック感が溶け込み、爽やかではあるものの軽くはなく、ファンキーで質感の濃いサウンドが印象的でした。
さすがすぎるプロデュース力で、飽きない複雑さを持つ作品です。
4.Bloo Azul , Spanish Ran – 『Bloo Moon 2』
ニューヨーク・ブロンクスのラッパーBloo Azul(ブルー・アズール)と、同じくブロンクスのプロデューサーSpanish Ran(スパニッシュ・ラン)のジョイント作品の第二弾。
重たく太いSpanish Ranのプロダクションと、たくましく気骨がある歌声のBloo Azulの相性が抜群で、深い音楽の旅に誘われます。
5.Nas – 『Magic 2』
ラッパーNAS(ナス)の16枚目のアルバムで、2021年のアルバム『『Magic』の続編であり、『King’s Disease III』に続く作品。近年頻繁にコラボレートしているHit-Boy(ヒット・ボーイ)によるプロデュース作品です。
King’s DiseaseシリーズとMagicシリーズの5作品連続でのHit-Boyとのコラボ作なので、二人の親和性、ケミストリー、革新などを感じながら聴きたいアルバムです。
6.Wakai - 『Some People Scream, Some People Talk』
昨年のデビューアルバム『To a Dark Boy』もクールだったルイジアナ州バトンルージュ出身のラッパーWakai(ワカイ)にニューアルバム。
彼のフローと、アルバム全体のトラック選びのセンスがマッチしすぎている作品で、独特のレイドバック感がたまらないですね。
「これは俺のスピリチュアルな旅を16曲に凝縮し、自分自身とのセラピーのセッション、そして全体的な癒しのプロセス。前作ではグウェンドリン・ベネットの言葉が俺の表現を引き立ててくれた。今回は、自分で作った詩が一番心に響いたんだ。二枚目のアルバムは難しいとよく言われるけど、このプロジェクトを通して平和を見つけることができた。君たちにも同じ感覚が届けばいいな。」Instagram
7.Terrace Martin – 『Curly』
冒頭にご紹介したプロデューサーTerrace Martin(テラス・マーティン)作品、本記事二回目のご紹介です。テラスが契約したBMGのSounds Of Crenshawによる6部構成ジャズ・アルバム・シリーズの第2弾。冒頭のアルバム『Fine Tune』に続く作品です。
本作はジャズドラマーである彼の父親Ernest “Curly” Martin(アーネスト”カーリー”マーティン)の教えを反映したというアルバムなんだそうです。
「父から教えられたことを反映したアルバムを作りたかったんだ。父はいつもグルーブとソウルについて語っていたね。彼はいつも私に、”音符はソウルとグルーブが背後になければ何の意味もない”と言っていた。そして正直に言って、私も全く同じことを感じているんだ。私が重要だと思うこれらの2つを理解してくれるお気に入りのミュージシャンたちと一緒になって集まったんだよ。このアルバムを作っているとき父は思い病気で、私は毎日電話で彼の具合を確認していたんだ。私たちが電話で最後に長話したのは、ブルースとそれが私たちにとってどれほど重要かについての話だった。彼は私に、それを決して忘れないでと言った。そして私は、絶対に忘れないと答えたんだ。」Instagram
8.Fly Anakin – 『Skinemaxxx (Side B)』
リッチモンドのラップ集団Mutant Academy(ミュータント・アカデミー)のメンバーであるラッパーFly Anakin(フライ・アナキン)の新作『Skinemaxxx』のB面。Side Aは4月にリリースされています。
コネチカットを拠点とするプロデューサーFoiseyのスムースなトラックとFly Anakinの落ち着いたフロー、色っぽい声質がバッチリです◎。
9.Psalm One – 『THE RETURRN OF BIGG PERRM』
シカゴ出身のラッパーPsalm One(サーム・ワン)の新作EPで、以前にもコラボしているCustom Made(カスタム・メイド)というプロデューサーとの共作。アグレッシブなラップと重厚なプロダクションが5曲の尺にギュッと詰まっています。
10.Tony Touch – 『Tony Touch Presents: The Def Tape』
ブルックリンを拠点に活動するDJ、Tony Touch(トニー・タッチ)がプレゼンツのミックステープ。本作はヒップホップの50周年を記念して制作されているドキュメンタリー『MIXTAPE』のオフィシャルサウンドトラックで、JEEZY、JADAKISS、TEYANA TAYLOR、CONWAY THE MACHINE、BENNY THE BUTCHER、FREDDIE GIBBS、DAVE EAST、MAXO、FREDO BANGなどが参加。13曲の新しい楽曲ながら、聴き覚えのあるヒップホップトラックが収められています。
11.CHIKA – 『SAMSON: THE ALBUM』
グラミー賞の最優秀新人賞にノミネートもされている、アラバマのラッパーCHIKA(チカ)のデビューアルバムです。これまでの複数のEPを経て、待望の20曲に渡るフルレングス作品が発表。
これまでにない新たな入り口を開きつつ、お馴染みのメロディックでシームレスなフローが体感できる作品です。
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