最新R&Bを軸にしたプレイリスト「Take It Easy」Vol.36
Spotify、Apple Musicで公開しているR&Bを軸にしたレイドバックミュージックプレイリスト「Take It Easy」更新お知らせ記事です。プレイリストの中から5曲をピックアップし、アーティストや曲についての紹介をします。
プレイリストは前回の分も残していましたが、大体月1ペースが安定してきたので、今回からまた更新都度曲を入れ替えることにしております。
プレイリストはこちら。更新の度に内容が変わるので「いいね」で常にチェックしてもらえると嬉しいです。
5 Picks
1.Tone Stith – 「Girls Like You」
ニュージャージー生まれのシンガー・ソングライター/プロデューサー/マルチ・ミュージシャンTone Stith(トーン・スティス)の新曲。次のプロジェクト『POV』に収録されるそうです。
「この曲は、初めての心の痛みについての僕の視点なんだ」と語る失恋ソングで、恋人に裏切られた痛みと失望が痛烈に伝わってくる内容の歌です。
「僕にとって、それは本当に大きな出来事だったんだ。恋愛に関してはまだとても未熟で、初めて全力を注いだ相手だったんだ。それが初恋だったとはいえ、僕の全力を注いでいたんだ。まるで「150%の力で愛している」という感じだったよ。でもその人に裏切られた時、まるで「お前のせいで全てが台無しになった。お前のせいで、僕の中に今までなかった闇が生まれたんだ」という感じだったね」Rated R&B
2.Sean Leon – 「THE GLADE (feat. Daniel Caesar)」
カナダ・トロントのラッパートロントのラッパー、ヴィジュアル・アーティスト、プロデューサー、ディレクターなどの肩書きを持つアーティストSean Leon(ショーン・レオン)と、カナダのシンガーDaniel Caesar(ダニエル・シーザー)のコラボソングです。
I ain’t going, I ain’t givin’ up
(俺は去らない、諦めない)
We ain’t going, we ain’t givin’ up
(僕たちは去らない、諦めない)
Time gets going, time keeps goin’ on
(時間は進み、時は止まらずに流れ続ける)
I’m still holding, I’m still holdin’ on
(俺はまだ堪えている、まだ持ちこたえている)
と繰り返すフレーズが印象的な曲。
シーザーのヴァース部分でも「Up from the ashes, into the sky(灰から立ち上がり、空へと)」や「They’ll never kill me, just watch them try(彼らは絶対に私を倒せない、ただ彼らが挑戦するのを見てみな)」など、かなり比喩的ではありますが、「再生」や「挑戦」を感じさせるフレーズが散りばめられています。
逆境に立ち向かい、持続力や不屈の精神、諦めない心などが表現されている、応援ソングのような印象を受ける曲でした。
関連記事:質感のある歌声を持つカナダのシンガー「Daniel Caesar(ダニエルシーザー)」を紹介
3.Rehana – 「poison (drip)」
こちらも先ほどと同じく、カナダ・トロントを拠点に活動する20歳のシンガー・ソングライターRehana(レハナ)の新曲。彼女はインド系の家庭で育ち、幼少期はボリウッドやマイケル・ジャクソンのサウンドに触れ、さらにケラーニ、サマー・ウォーカー、ジェネイ・アイコのサウンドにも影響を受けているそうです。
You know my love is (oh oh)
(私の愛がどういうものか知っている)
You know my love is poison babe
(私の愛が毒だってことを知っている)
You know my love is (oh)
(私の愛がどういうものか知っている)
You know my love is poison babe
(私の愛が毒だってことを知っている)
リリックは、愛がどれほど危険で破壊的な力になるかを描写しています。察するに、歌い手は自分自身が毒であり、「愛する人にとって愛が有毒であることを理解している」といったところ。
「恋は盲目」とはよく言いますが、そのような理性を失った状態を「毒」に例えているラブソングです。
4.Mahalia – 「Wassup (featuring Kojey Radical)」
イギリスの歌姫Mahalia(マヘリア)の新作『IRL』に収録、ロンドン出身のラッパーKojey Radical (コージー・ラディカル)をフィーチャーした一曲。
彼との関係が改善されない場合に、他の男に興味を持つ可能性があることを歌った歌だそう。
「この曲、バーベキューのスピーカーから爆音で鳴ってるのが想像できるよ。テーマは基本的に”あんたが物事を改善しないなら、この部屋にいる全ての男に私に声をかけさせるからね”って男に言ってることなんだけど、なんだかんだでこの曲聴くとすごくハッピーになるんだよね!」Apple Music
[Chorus]
Let everybody say, “What’s up” (What’s up? What’s up? Yeah)
(皆に「どうしたの?」と言わせて)
Let ‘em take a sip of my cup (Ayy, yeah, ayy, yeah)
(私のカップから一口飲ませて)
I might still be with him when the lights up
(ライトがついた時に、まだ彼と一緒にいるかもしれない)
Maybe let him take me home in his truck
(彼にトラックで家まで送ってもらうかもしれない)
コーラス部分からも、新しい関係を探求する意志や他の選択肢を示して、恋人に嫉妬を抱かせる様子が伺えますね。
曲のサンプルはもちろんSoul For Realの「Candy Rain」。
ついでにサンプル関連で、こちらも合わせて聴きたくなったので載せておきます!久々に聴いたけどやっぱ神曲ですね。
関連記事:Mahalia(マへリア)とは / イギリス出身のサイコ・アコースティック・ソウルアーティスト
5.Terrace Martin – 「Damage (feat. Brandee Younger & Derrick Hodge)」
グラミー賞ノミネートされたアーティスト、プロデューサーのTerrace Martin(テラス・マーティン)の新作『Fine Tune』に収録された一曲。タイトル文字通り、カリフォルニア州ヴァレーホ出身のシンガーH.E.R.のデビューアルバム『Back of My Mind』のセカンドシングル「Dmage」のカバー曲です。
極上のアレンジというのは言うまでもなさそうですが、「聴き惚れてしまう」とはこの事なんだろうなと感じた曲でした。
アルバムには前々回のプレイリストにも入れている、SZAの「Snooze」カバーもあり、こっちもとんでももない出来なのでぜひ。
ちなみに、彼は最近「BMG(大手音楽会社)」と新たなグローバルなレコーディング契約を結だあと、自身のレコードレーベル”Sounds of Crenshaw(サウンズ・オブ・クレンショウ)”を立ち上げました。このアルバムはそんなSounds of Crenshawからリリースされる2023年を通した6枚のジャズ・アルバム・シリーズの一つだそうです。次作も楽しみ。
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