Written by cookie

Jazmine Sullivan(ジャズミン・サリヴァン)の魅力 / ありのままの声と素顔を昇華するアーティスト

Artists Music R&B

自身でヒット作を生み出すアーティストにして、ソングライターやコラボレーターとしても活躍する、フィラデルフィア出身のシンガーJazmine Sullivan(ジャズミン・サリヴァン)。

2021年の作品『Heaux Tales』では女性のエンパワーメントを高める楽曲で人々の心をつかみ、グラミー賞「最優秀R&Bアルバム賞」「最優秀R&Bパフォーマンス賞」を受賞しました。

今回はそんなJazmine Sullivanのヒットソングやルーツを探り、彼女の魅力をお伝えしていきたいと思います。

Contents

  1. Jazmine Sullivanのヒットソング
    1.Insecure(With. Bryson Tiller)
    2.Bust Your Windows
    3.Let It Burn
    4.Girl Like Me ft. H.E.R.
    5.Pick Up Your Feelings
    6.Need U Bad
    7.On It ft. Ari Lennox
  2. Jazmine Sullivanの生い立ちを辿る
    幼少期と少女時代
    デビューまでの道のり
  3. Jazmine Sullivanを知る3ヒント
    グラミー賞受賞アーティストであること
    ソングライターとしても活躍
    ミッシー・エリオットとの深い絆
  4. グラミー受賞作品『Heaux Tales』を紹介
    『Heaux Tales』は女性のエンパワーメントを後押しする作品

プロフィール

名前 Jazmine Sullivan(ジャズミン・サリヴァン)
本名 Jazmine Marie Sullivan(ジャズミン・マリー・サリヴァン)
生年月日 1987年4月9日
出身 ペンシルバニア州フィラデルフィア
主な作品 ALBUM
・『Fearless』(2008)
・『Love Me Back』(2010)
・『Reality Show』(2015)
EP
・『Heaux Tales』(2021)
・『Heaux Tales, Mo’ Tales: The Deluxe』(2022)

Jazmine Sullivan(ジャズミン・サリヴァン)は、ペンシルバニア州フィラデルフィア出身のR&B/ソウル系シンガーソングライター。教会で磨かれた力強いボーカルを武器に、「Need U Bad」、「Bust Your Windows」、「Lions, Tigers & Bears」、「Let It Burn」、「Pick Up Your Feelings」など、R&Bのスタンダードとなる名曲を生み出しました。

ミッシー・エリオットとのコラボレートでシーンに登場し、デビュー作『Fearless』、2ndアルバム『Love Me Back』は大ヒット。2011年より音楽業界からの無期限離脱を発表後、3年間の休止期間を設けるも、2014年のニューアルバム『Reality Show』で復帰。ビルボード「R&Bアルバムチャート」で1位を見事獲得します。

その後、メアリー・J・ブライジの2017年のアルバム『Strength of a Woman』の4曲の作曲参加や、バックアップボーカルなどのコラボレーターとして活躍。

そして2021年に、約6年ぶりとなる作品『Heaux Tales』をリリース。女性のエンパワーメントを後押ししたこの作品は第64回グラミー賞「最優秀R&Bアルバム賞」を受賞。音楽の力で女性や悩めるリスナーの心を力づけました。

また、2021年アメフトのチャンピオンを決めるNFL「Super Bowl LV(スーパーボウルLV)」での国家斉唱も務め、シンガーとして、ソングライターとして、最も信頼されているアーティストの一人です。

Jazmine Sullivanのヒットソング

1.Jazmine Sullivan & Bryson Tiller – Insecure

リリース:2017年8月3日
収録作品:Insecure (Music from the HBO Original Series) Season 2

女優、作家、プロデューサーとして活躍するIssa Rae(イッサ・レイ)の大ヒットドラマ『Insecure』の第2シーズンのリードシングル。ケンタッキー州ルイビル出身のR&BシンガーBryson Tiller(ブライソン・テイラー)をフィーチャーしています。

男女の視点でお互いの関係性について歌っている歌です。特にJazmine側(彼女側)の「なんでそんなに不安なの?」「息苦しくて友達とも遊べない」と、うんざりしている様子が印象的です。これは曲の題材になったドラマ『Insecure』のストーリーにもリンクする内容のようですね。

ちなみにこのドラマ『Insecure』は、ロサンゼルスに住みながら、キャリアや恋愛を経験する黒人女性の生活を描くヒューマンドラマです。現在(2022年10月)はシーズン1がAmazonのレンタルか購入で、シーズン5がU-NEXTで見られるようなので、気になる方は是非。

Insecure – Trailer

2.Bust Your Windows

リリース:2008年9月16日
収録作品:『Fearless』

ラテンやタンゴなどの要素が垣間見えるR&Bバラードソング。2009年のグラミー賞の「ベストR&Bソング賞」にノミネートされた曲です。

「Bust Your Windows(窓を破る)」という意味を持つタイトルが名付けられたこの曲。「恋人の窓ガラスを実際に割ったことがある」(不倫に怒り、車の窓ガラスを成敗したのだそう)という彼女にとっては、「真実味のある曲」として名高い曲です。

「その件には触れないことにしているわ。でもそれは間違いなく現実の状況で、私はそれを経験した多くの男性と女性に遭遇してきた。それを言う必要があって、私はそれをする女だった(笑)」Songfacts

冗談めいて語っていますが、「あなたたちがすべきことは、正直であること、誠実であること、そうすれば窓が割られることはない」と、彼女を怒らせた時の怖さを物語る一曲です。

3.Let It Burn

リリース:2015年3月17日
収録作品:『Reality Show』

サードアルバム『Reality Show』のサードシングル。90年代のグループAfter7のトップ10ヒットシングルである「Ready Or Not」をサンプリングした爽やかな一曲です。

You feel that fire, just let it burn (That's love)
その炎を感じて、ただ燃やせばいい(それが愛よ)
Cause there's no runnin' when it's your turn
あなたの番が来たら逃げられないわ
(Call me crazy but I think I found the love of my life)
(クレイジーと呼んでもいい、でも私は人生の愛を見つけたんだ)

と恋心を燃え上がる炎に例えて、愛に身を委ねることを歌っています。元ネタのAfter 7「Ready or Not」も良いので是非聴いてみてください。

After 7 – Ready or Not

4.Girl Like Me ft. H.E.R.

リリース:2021年1月6日
収録作品:『Heaux Tales』

4作目のアルバム『Heaux Tales』のサードシングル。カリフォルニア・ヴァレーホのシンガーH.E.R.をフィーチャーした曲です。

Why they be winnin'?
(なんで彼女たちが勝者なの?)

と語るこの曲は、別れを経験したある女性の、いわゆる「失恋ソング」ですが、「失恋の傷心によって湧き起こる感情」に焦点を当てています。

You must'vе wanted somethin' different
(あなたは何か違うことを望んでいたに違いない)
Still don't know what I was missin’
(何が足りなかったのか、まだわからないわ)
What you asked I would've given
(あなたが求めたものを私は与えたでしょう)
It ain't right how these hoes be winnin’
(あいつらが勝てるわけがないのに)

自分と他を比べて「何が足りないのか?」を問うてるのが伺えますね。

「私は女性として、黒人女性として、インスタグラムのモデルのようには見えない普通の女の子たちの側にいるような女性として、共感したんだ。しばらくすると、それが身にしみるんだよ。」npr

「私はあからさまにセクシーではないし、そうなろうともしないし、セックスアピールの基準にもならない。賞賛され、最も愛され、「いいね!」と言われる女性は、ある種の外見に仕上げられていて、最大の予算とブランドを持っているんだ。その型にはまらない人は、「じゃあ、私はどこに入ればいいんだろう?誰が私を愛してくれるのか、誰が私を魅力的だと思うのか」と。」VOGUE

SNSの普及で「一億総発信時代」になった今、他人と簡単に比較できてしまう環境が、メンタリティの悪化に繋がってしまうことを教えてくれる曲でもあります。「世間の美の基準」の考え方を見直していこう(自分らしくあればいいんじゃないか)というメッセージを感じる曲ですね。

ちなみにタイニーデスクコンサートでの二人の共演も素晴らしいのでシェアしておきます。

Jazmine Sullivan – Girl Like Me (Live From the Tiny Desk Home Concert) ft. H.E.R.

関連記事:H.E.R. / 匿名でデビューした若きR&Bアイコンの正体

5.Pick Up Your Feelings

リリース:2020年11月20日
収録作品:『Heaux Tales』

『Heaux Tales』のセカンドシングルで、3枚目のアルバム『Reality Show』から5年を経た復活の曲。第64回グラミー賞で「ベストR&Bソング賞」へノミネートされ、「ベストR&Bパフォーマンス」は受賞を果たしました。

「有害な恋愛の終わり」をテーマにしたこの曲は、Jazmine Sullivanの力強い歌唱力とともに、前に進む意志を強く感じさせる一曲です。

アコースティックバージョンのライブは、また違った「Pick Up Your Feelings」のテイストを楽しめます。

Pick Up Your Feelings (Official Acoustic Live Video)

6.Need U Bad

リリース:2008年5月13日
収録作品:『Fearless』

ビューアルバム『Fearless』に収録され、Jazmine Sullivanのキャリアのデビューシングルでもある曲。ラッパーのMissy Elliott(ミッシー・エリオット)をフィーチャーしています。

13歳から出会ったというミッシーとの共演という、記念すべき一曲でもあり、リリース当時はローリン・ヒルと比較されるほど注目を浴びていたのだとか。

ちなみに曲の最初と最後に流れるジャマイカ語の発音は、ヒップホップグループのSalt-N-Pepa(ソルト・ン・ペパ)のPepaが担当したのだそうです。

7.On It ft. Ari Lennox

リリース:2021年1月8日
収録作品:『Heaux Tales』

『Heaux Tales』の6曲目に収録。シンガーAri Lennox(アリ・レノックス)をフィーチャーした曲です。

I need more than a text message
(テキストメッセージ以上のものが必要よ)
You gon' have to pull off somethin’ impressive
(何か印象的なことをやってのける必要があるわ)

と男性を品定めするような、乙女心万歳の曲であり、全体的にエロティックな雰囲気が漂うセクシーバラード。二人のヴォーカルバランスも絶妙で、スムースに耳に馴染む一曲です。

BETアワードでのデュエットも是非見て欲しいです。

BET Awards 2021 – On It

関連記事:Ari Lennoxとは / 新時代のソウルヴァイブスを持つシンガー

Jazmine Sullivanの生い立ちを辿る

幼少期と少女時代

フィラデルフィアの北部で育ったジャズミンは、二人の兄弟の間の真ん中の妹として生まれ、5歳の頃から教会で歌い始めたそう。劇作家の母親、詩人の祖母が歌のインスピレーションの源になっているそうです。

「母は最も影響力のある人。私がすることはすべて、母を手本にしているんだ。母は私が知る限り、最もクリエイティブな人よ。私はいつも母を真似て、母の足跡をたどってきたんだ。」JUMP Philly

11歳の頃、ニューヨークのハーレムにあるアポロシアターでパフォーマンスする番組『Showtime At The Apollo(ショータイム・アット・ザ・アポロ)』に出演しています。

アポロシアターでのパフォーマンス

その後、地元のフィラデルフィアで人気のショーケース『BLACK LILY』で活躍し、徐々にファンを獲得。『BLACK LILY』にて、Kindred the Family Soul(キンドレッド・ザ・ファミリー・ソウル)、Jaguar Wright(ジャグアー・ライト)、The Roots(ザ・ルーツ)、Jill Scott(ジル・スコット)などを見て育ったことが、彼女の音楽性に大きな影響を与えているようです。

「私は若い頃BLACK LILYに通っていたので、Kindred、Jaguar Wright、The Roots、Jill Scottを見て、ライブパフォーマンスを磨く機会を得たの。私がまだ子供だった頃に通っていた彼ら全員が、今ライブで歌うことに慣れ親しむのに間違いなく役立っているわ。」JUMP Philly

『BLACK LILY』初出演時と思われるショー映像

憧れのスティービー・ワンダーと共演

彼女は『BLACK LILY』でのショーをきっかけに、伝説的なアーティストStevie Wonder(スティービー・ワンダー)との共演の機会を得ます。

『BLACK LILY』で定期的に演奏していたキンドレッド・ザ・ファミリー・ソウルが、スティーヴィーの孫の誕生日パーティに招待されたゲストだった繋がりで生まれた共演だそう。

「実際に行ったとき、立ち上がってマーヴィン・ゲイの『What’s Going On』を歌ったんだ。そうしたら、スティーヴィーがピアノに向かって、自分の曲『These Three Words』を弾き始めた。それで私も一緒に歌い始めたら、いつの間にか彼と一緒にリフを行ったり来たりして、最高に楽しかった。」B&S

まだ13歳と若かったので当時はその偉大さに気づけてなかったそうですが、大人になった後で「なんてすごい経験をしたんだ」と衝撃を受けたそうです。

デビューまでの道のり

Jiveレコードへ加入するも、数年で契約解除へ

16歳(※15歳という情報もあります)でJive Records(ジャイヴ・レコード)ど契約を果たすも、17歳の時に契約解除が決定。それでも「成長の経験を得られて幸運だった」とジャズミンは語っています。

「落とされた後、自分を成長させることができたし、ティーンとしていろいろなことを経験することができたから、それは幸運なことだったわ。」Urban Connectionz(archive)

作曲活動を続け、その後Jレコードへ加入

Jiveレコード加入当時にはアルバム制作が進んでいたものの、契約解除によりリリースは実現しなかったそうです。それでもバックヴォーカルやソングライティングの仕事を続けていた彼女は、「In Love With Another Man」という曲を作ります。

In Love With Another Man

この曲のデモを発表したところ、J Records(Jレコード)のピーター・エッジの耳に入り、彼はそれを気に入りました。

「Jレコードのピーター・エッジがそれを聞いてくれて、クライブ・デイビスの前で演奏する必要があると言われたときは、本当に感激したよ。」B&S

クライブ・デイビスはJレコードの創設者であり、ホイットニー・ヒューストンやアリシア・キーズのキャリアを作った人物。そんな大物の前でジャズミンは「In Love With Another Man」と、後に彼女のファースト・シングルとなる「Need U Bad」を歌い、Jレコードに歓迎されることになります。

Jazmine Sullivanを知る3ヒント

グラミー賞受賞アーティストであること

ジャズミンは、最初のデビューアルバム『Fearless』の頃から通算して15回ものグラミー賞ノミネートを獲得しています。2022年に開催された第64回グラミー賞では、楽曲「Pick Up Your Feelings」で「最優秀R&Bパフォーマンス賞」を受賞。アルバム『Heaux Tales』で「最優秀R&Bアルバム賞」を受賞しました。

ノミネート作品一覧

第64回(2022) 最優秀R&Bパフォーマンス賞【受賞】
「Pick Up Your Feelings」
最優秀R&Bアルバム賞【受賞】
・『Heaux Tales』
最優秀R&Bソング賞
「Pick Up Your Feelings」
第62回(2020) 最優秀トラディショナルR&Bパフォーマンス賞
PJ Morton「Built For Love」(feat. Jazmine Sullivan)
第58回(2016) 最優秀トラディショナルR&Bパフォーマンス賞
「Let It Burn」
最優秀R&Bソング賞
「Let It Burn」
最優秀R&Bアルバム賞
・『Reality Show』
第53回(2011) 最優秀女性R&Bボーカル・パフォーマンス賞
「Holding You Down (Going In Circles)」
第52回(2010) 最優秀女性R&Bボーカル・パフォーマンス賞
「Lions, Tigers & Bears」
最優秀R&Bソング賞
「Lions, Tigers & Bears」
第51回(2009) 最優秀新人賞 最優秀女性R&Bボーカル・パフォーマンス賞
「Need U Bad」
最優秀トラディショナルR&Bボーカル・パフォーマンス賞
「In Love With Another Man」
最優秀R&Bソング賞
「Bust Your Windows」
最優秀コンテンポラリーR&Bアルバム
・『Fearless』

ソングライターとしても活躍

ジャズミンはソングライターとしてもその腕が認められている人物で、これまでに数多くの有名アーティストの作詞に関わっています。

凄いのは、彼女がアーティストとして活動休止していた2011年〜2014年も、ソングライターとして活動していたこと。Monica、Mary J. Bligeに加え、Tamia、Kendrick Lamar、Faith Evansなどへも作詞提供を行なっています。

コラボレーターとしても秀逸といわれる

彼女は、ソングライターでの活躍もさることながら、フィーチャーシンガーとしても秀逸です。PJ Mortonとの「BUILT FOR LOVE」は、第62回グラミー賞「ベストトラディショナルR&Bパフォーマンス賞」にノミネートもされました。

PJ Morton – BUILT FOR LOVE (feat. Jazmine Sullivan)

フィーチャーされている作品は沢山ありますが、中でもロバート・グラスパーとの「You’re My Everything」や、アンダーソン・パークとの「Good Heels」なんかは最高です。

Robert Glasper – You’re My Everything(feat. Jazmine Sullivan)

Anderson Paak – Good Heels (feat. Jazmine Sullivan)

ミッシー・エリオットとの深い絆


デビューシングル「Need U Bad」で共演を果たしているラッパーのミッシー・エリオットとは、13歳の頃から知り合っていたそうで、彼女はミッシーの「愛弟子」と呼ばれるほど深い繋がりを持っています。

「私が彼女に出会ったのは13歳のとき。彼女はいつも私を信じ、私が遠くへ行けると思わせてくれた一人よ。彼女はいつもそばにいて、私の背中を押してくれた。アルバム3枚分くらいの曲があるのよ。仕事とは思えないほど。」Urban Connectionz(archive)

ジャズミンの転機となったJレコードの契約時(クライブ・デイビスの前での演奏)にもミッシーは応援に駆けつけてくれていたそうで、ジャズミンのデビュー後の二作品(『Fearless』と『Love Me Back』)にはプロデューサーとしても参加しています。アーティスト「Jazmine Sullivan」の成功の立役者ともいえる存在でしょう。

ちなみにJレコードがジャズミンの作品に注目しだしたのは、ミッシーがジャズミンをマイアミのスタジオに連れ込んだことがきっかけであるという話もあります。

16歳のときにジャイブ・レコードと契約し、その後契約を解除されたものの、現在のレコード会社がサリヴァンの最近の作品に注目し始めたのは、女性ラッパー/プロデューサーのミッシー・エリオットが、彼女のパートナーでメガプロデューサーのティンバランドとともにジャズミンをマイアミのスタジオに連れ込んだことがきっかけである。B&S

グラミー受賞作品『Heaux Tales』を紹介

2021年1月18日リリースのEP『Heaux Tales』。(貼り付けているリンクは2022年2月11日リリースのデラックスエディション)

前作から6年の歳月を経た本作は、スキットを除くと8曲で構成され、「EP」として出したものの、「プロジェクトやアルバムに近い」作品であるそうです。

「EPなんだけど、今は自分の中で変化している。女性に与える影響を考えると、今はプロジェクトというか、アルバムに近い気がするわ。最初はEPと呼んでいたのは、短すぎる気がしたから。6年間も離れていたんだ。このままアルバムと呼ぶのはちょっと…という感じだった。でも、反響を見ると、それが女性にとってどんなものになったのか、どんな力を与えているのか、まるでアルバムのような感じなんだ。」ESSENCE

『Heaux Tales』は女性のエンパワーメントを後押しする作品

さまざまな女性の視点から、お金、愛、セックス、人間関係の苦悩などをさらけ出す『Heaux Tales』は、女性が「自分自身の人生を見つけること」や「自己愛を持つこと」、「自分の力を信じること」をテーマにした作品です。

「社会は、私たちが良い女性であるためには、完璧で、ある方法で自分を表現しなければならないように思わせているように感じるの。私たちはとても層が厚く、多面的で、語るべき物語を持っているわ。そして、それらはすべて素晴らしい物語ではないけど、それが私たち自身を作り上げているのよ。」npr

苦悩や失敗を経験しようとも、それは「自分を見つめ直すこと」へ繋がり、「それは良い学びである」ということを伝える作品であるそうです。

本作は女性らしく大胆に生きるCardi B(カーディ・B)や、ボディポジティブ・ムーブメントの立役者でもあるLizzo(リゾ)にも影響を受けているそう。この点からも女性の「自尊心」や「尊厳」を強く意識した作品であることがわかります。

最後に

Jazmine Sullivanを紹介しました。彼女の『Heaux Tales』は、特に女性へ向けた作品ではありましたが、「ジェンダー」「人種」「自己愛」など、マクロな目線で見ると、現代で重要視されているテーマが詰まった作品なのかなと感じました。

「政治」「社会問題」と考えると堅苦しく聞こえますが、音楽や誰かのストーリーでその問題を(結果的にでも)ポジティブな方向に持っていくのは良いことだなーと。

彼女はすでに歌唱力やライティング力だけじゃない、「深み」や「凄み」みたいなものをガッツリ背負っているアーティストだと思いました。

ということで今回はここまでです。最後までお読みいただきありがとうございました。

おすすめ記事:最新R&Bプレイリスト「Take It Easy」Vol.26
おすすめ記事:2022年9月 / 今月チェックした作品を紹介

Reference

Genius「Jazmine Sullivan」
JUMP Philly「Jazmine Sullivan: The Philly Girl Speaks Her Mind.」
Songfacts「Bust Your Windows by Jazmine Sullivan」
npr「Jazmine Sullivan On ‘Heaux Tales,’ Dirty Laundry And The Value Of Taking Breaks」
VOGUE「“I Don’t See Myself As This Star”: Jazmine Sullivan Gets Candid About Confidence, Working With Issa Rae, And Fear Of Fame」
B&S「JAZMINE SULLIVAN: CLEAR FOR TAKE OFF」
Urban Connectionz「Jazmine Sullivan: Second Time Around」(archive)
ESSENCE「A Girl Like Jazmine Sullivan」
Pitchfork「Jazmine Sullivan on Shamelessness, Heaux Tales, and Her Biggest Year Yet」
SLANT「Interview: Jazmine Sullivan Talks Reality Show, Frank Ocean, and More」
Wikipedia「Jazmine Sullivan」

Cite from Thumbnail Image

facebook.com/jazminesullivan