2023年10月 / 今月のチェックマーク作品リスト
その月にリリースされたもので、チェックマークを是非とも付けておきたい作品(アルバム・EP・ミックステープなど)をピックアップする記事です。
10月は以下のラインナップとなっております〜。
1.Seafood Sam – 『Afros In The Wind』
カリフォルニア・ロングビーチのラッパーSeafood Sam(シーフード・サム)のニュープロジェクト。タイトル「Afro’s In The Wind(風になびくアフロ)」は、「髪をほどいてリラックスしよう」という意味が込められているそうです。
このプロジェクトのテーマは父親であり家族であり、自由でもある。タイトル「Afro’s In The Wind」やそれが喚起するイメージがこれを物語っている。「それは、髪を下ろしてリラックスしようってことなんだけど」とサムは説明する。「でも、黒人は”髪を下ろす”とは言わないんだ、三つ編みやドレッドを解くと、アフロになるからね。ドレッドを結ってるけど、これは俺たち全体の象徴だったんだ。だから、ただ髪を下ろして自由になる。気にせず、ただの自分でいる。風になびくアフロ、ただ解き放って、そのままロックしようぜ。」bandcamp
落ち着いたフロー、落ち着いたサウンド、クールで渋くてカッコいいです。
2.Terrace Martin, Alex Isley – 『I Left My Heart In Ladera』
LAのミュージシャンTerrace Martin(テラス・マーティン)と、シンガーAlex Isley(アレックス・アイズレー)のコラボプロジェクト。ビルボード「コンテンポラリー・ジャズ・アルバム・チャート」では2位で初登場し、アイズレーにとって初のビルボード入りともなったそう。
プロジェクト名はラデラ・ハイツ地区から取ったものだそうで、ロサンゼルスのラデラとクレンショーの活気ある地区へのトリビュート作品でもあるそうです。
「このアルバムで、音楽的には何一つ手を抜いていない。@LoveAlexIsleyは何年もの間で初めて、本気で私に挑戦を投げかけてくれたアーティストで、もっと上を目指すように促してくれた。こんな風に感じるのは、@herbiehancock、@snoopdogg、@kendricklamarと作業する時ぐらいのものだ。この4人とは、まるで限界がない。」Instagram
Terrace Martinのクリエイティブさと、Alex Isleyグレースフルなボーカルが融合した上質なプロジェクトです。
関連記事:Dinner Partyとは / ジャンルの隔たりを無くす新たな音楽の地平
3.Dillon, Diamond D – 『Uncut Gams(Instrumentals)』
2023年6月にリリースした、アトランタを拠点に活動するラッパー/DJのDillon(ディロン)と、ヒップホップ界のレジェンドDiamond D(ダイアモンドD)のジョイント作のインストバージョン。
という訳で、本作はDiamond Dのビート集でもあり、彼の最新のサウンドと奥深さを体感できます。
Dillonのラップとスクラッチが融合したオリジナル版も是非。
4.Brent Faiyaz – 『Larger Than Life』
メリーランド出身のシンガーソングライターBrent Faiyaz(ブレント・ファイアズ)の新作。A$AP Rocky、Missy Elliott、Babyface Ray、Coco Jones、A$AP Antが参加などが参加した作品で、彼自身のレコード・レーベル”ISO Supremacy”(ユナイテッドマスターズと共同で設立)からリリースされた最初のアルバムだそうです。
奥ゆかしさを感じるスロージャムを中心とした14曲の世界へどうぞ。
5.Kidz In The Hall – 『Adulting Anonymous』
Naledge(ナレッジ)とDouble-O(ダブル・オー)からなる、シカゴのヒップホップ・デュオKidz In The Hall(キッズ・イン・ザ・ホール)の最新プロジェクト。Big Pooh、Vic Spencerなどがフィーチャーされています。
渋めのヒップホップと、リラックスサウンドがクロスオーバーし、独特の色気を放っています。かなり好きです。
6.J.Raise, Jr & Alijaa – 『CALL FOR YOU』
イタリアのJ.RaiseJr(ジェイ・レイズ・ジュニア)と、イギリスのAlijaa(アリジャ)のコラボ作品。シカゴのラッパー、Mick Jenkinsや、デトロイトのFrank Nittなどがフィーチャーされています。
ジャズのバックボーンを持つデュオが、ヒップホップをはじめ、複合的・創造的な音楽を展開する作品。伝統的でもあり、アーバンでもある、不思議な感覚を持たせてくれます。