UMIの「happy im」を考察&解説 / ありのままの幸せをそのまま抱きしめる喜び

ワシントン州シアトル出身のシンガーソングライターUMI(ウミ)の2023年最初のリリース曲。昨年のデビュー・アルバム『Forest in the City』以来のシングルで、日本語の歌詞も用いられた、どこか癒しと切なさを感じる一曲です。

今回はそんな「happy im」の歌詞の内容を主に、考察&解説していきます。(※本記事は筆者の感想文が含まれます。あくまで考察としてお読みいただければと思います。)

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UMIの「happy im」はどんな曲?

UMI曰く、この曲の主要なメッセージは「愛」についての話で、「幸せであることはいいことだ」というメッセージが込められているそうです。

この「愛」とは、夢、家族、キャリア、場所、人に対する愛など、さまざまな状況で感じられる愛のこと。恋人への気持ちや自己成長、そしてその恋愛を楽しむ喜びや恐怖が曲中で述べられています。

「幸せであることはいいこと」とは言葉だけ聞くと当たり前の事のように思えますが、人間誰しもがネガティブな感情を抱く場面があると思います。今回は愛にフォーカスしていますが、そんなときに、深く考えすぎず初心に返って「そのままを受け入れること」の重要性がこの曲の大きなポイントだと感じます。

実際に曲の中で、UMIは愛を受け入れ、それを楽しむことの大切さを最終的には伝えています。

「“happy im” は、私が愛から逃げていると感じた時に書いたんだ。それは夢、家族、キャリア、場所、人に対する愛のように、さまざまな形で感じられる愛だよ」NUMÉRO

「この曲を書いたのは、自分自身やリスナーに、幸せでいてもいいんだって思い出させるため。私たちはそのためにここに来たんだから。そして、多くの場合、必要以上に深く考えないでそのまま感じることを許せば、その愛を受け入れることができるよ」NUMÉRO

UMIの「happy im」のリリックを深読みする

ここからは歌詞のいくつかを抜粋して、曲に込められた想いを紐解いていきます。

Verse 1:自己理解のための逃避

Lyric

I just gotta say from my heart
(心の底から言わせてもらうけど)
Sometimes I need time to understand myself
(時々、自分を理解するための時間が必要なんだ)
I’ll be back, that’s what I said to you
(帰ってくるって、君に言ったじゃないか)
I was afraid so I ran from you
(怖かったから、君から逃げたんだ)
Time has passed, now I can see truth
(時間が過ぎて、今は真実が見える)
Know that I needed to stop the forcin’
(強引に進めるのをやめる必要があったことを知ってる)
Guess it was all just apart my journey
(これも私の旅路の一部だったのかもしれない)
But I’m sorry I hurted you, yeah
(でも、君を傷つけてごめんね)

このヴァースでは、愛することの恐れや不安を感じ、愛から逃げる理由を詳述。その過程で相手を傷つけることがあったことへの謝罪もしています。

自分の心の中で何が起こっているのかを理解するのに時間が必要だったこと、その中での葛藤や過ちを経て、今は真実が見えて来ていて、それを「過去の話」として払拭しようとしているのが感じられます。

Chorus:喜びの中に生まれる不安への疑問

Lyric

Happy I’m fallin’ for you
(君に恋をして幸せ)
Happy I let myself too
(自分を許せたことも幸せ)
Happy I’m, happy I’m
(幸せ、幸せなんだ)
Happy I’m growin’ with you
(君とともに成長してることが幸せ)
Happier knowin’ it’s you (Ah-ah)
(それがあなただと知ってもっと幸せ)
Half of me scared that it’s true
(それが本当であることに、半分の私は怯えている)
But happy me’s happy it’s you
(でも、君で幸せ)
So why don’t I, why don’t I
(だから、なぜ私は、なんで)
Let myself not think to
(考えないようにしないんだろう?)
Why don’t I not think too hard about love?
(なんで愛のことを深く考えすぎちゃうんだろう?)

ここでは、歌い手が自分の感じている愛の喜びと、それに対する恐れや不安を歌っています。UMIは愛を受け入れることの嬉しさと、同時に恐怖があるという葛藤を共有しています。

コーラスの前半は、全体的に喜ばしい気持ちを表現していますが、「Half of me scared that it’s true(それが本当であることに、半分の私は怯えている)」と、幸せが故の心の不安を吐露しています。

そんな一部の不安を払拭するように、後半部分では「愛について考えすぎないように」努めるための疑問を投げかけ、「その瞬間を楽しむことの重要性」を強調しているように思えます。

Verse 2:日本語でパートナーへの愛と感謝を伝える

ヴァース2では、「心の底から伝えたい感謝と愛が溢れていること」「君のそばでだけ、真の安らぎを感じること」を日本語で歌っています。

特に「きみのそばならやっと寝れる」という言葉は、愛する人のそばにいることで得られる安堵感を強調しているように感じる部分でした。

Pre-Chorus:心の成長とケア

Lyric

Blue flowers in my heart
(心の中の青い花)
A garden for us
(私たちのための庭)
I’m waterin’ myself
(自分自身を水やりしてる)
And I think that I am
(そして、私はそう確信している)

プレコーラスでは、UMIが「自分自身を水やりしている」こと、つまり「自分の感情や愛を育む取り組みをしている」、「それを感じている」ことを示しています。

最後の「I’m waterin’ myself」は、そんな取り組みに対しての確信や自覚を示していると解釈しました。

花や庭に例えて、自分の心の成長やケアを表現しているのが感じ取れる部分です。

まとめ

まとめると、この歌は愛を受け入れ、感じ、それを深く探求する「心や気持ちの揺らぎ」に関する歌でした。

愛を追求する過程での葛藤や不安を感じつつも、ありのままを受け入れることの喜びや幸せを、歌を通じて共有しているように感じました。

「幸せなのになぜか考え込んでしまって、不安に駆られてしまう」という感じの表現が妙にリアルで、言葉にできない切なさがあるのもまた印象深かったです。

ですが、最終的には前を向いていて、どこか安心感や癒しを感じられるのがまたグッドでした。

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Spotify UMI「happy im」-

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