Jenevieve – Baby Powderを考察&解説 / 乾いてしまった愛を描く失恋ソング

2020年3月25日リリースのJenevieve(ジェネヴィエーヴ)の2ndシングル「Baby Powder」。日本のシンガーソングライター杏里さんの1982年の楽曲「Last Summer Whisper」をサンプリングした、ドリーミーな失恋ソングです。

今回はそんなBaby Powderの歌詞の内容を考察&解説していきます。(※本記事は筆者の感想文が含まれます。あくまで考察としてお読みいただければと思います。)

関連記事:「Baby Powder」で一躍有名になったメロディアスなシンガーJenevieveを紹介

Jenevieve – Baby Powderはどんな曲?

「’Baby Powder’は、私の初恋と失恋がどんな感じだったかを少し表現しているんだ」と語るJenevieve。

この曲は、男性が女性についた嘘によって恋愛感情が枯れていく様子を描いていて、「乾いてしまった愛」=「Baby Powder」と例えた失恋ソングです。

「典型的なことさ。特別な人を見つけたと思って、本当に彼のことを大事にしていたけど、彼は私に秘密を隠していて、私は私は何も隠してなかった。でもね、男たちや一般の人って、自分が汚いことをしてるのに、それを君のせいにし始めることってあるでしょ?うん、それが”Baby Powder”よ。」FADER

Jenevieve「Baby Powder」のリリックを深読みする

ここからは、歌詞のいくつかの部分を抜粋して、曲で伝えたい想いを考察します。

ヴァース1:歌い手の本心と彼女の限界

Lyric

Ima tell you the truth
(本当のことを話すよ)
Not like these girls on the loose
(他の浮ついた女の子たちみたいじゃない)
I’ll put up with you babe
(あなたのこと我慢するよ)
There somethings I won’t take
(我慢できないこともある)
Baby don’t feed me false
(偽のものを押し付けないで)
Yeah that turns me off
(それは私を落ち込ませる)

最初のヴァースで歌い手は相手に自分の本心を伝えるつもりであり、他の女性たちのように他の女性たちのように軽薄で浮ついていないことをアピールしています。

しかし、彼女にも我慢の限界があり、相手からの偽りの言葉や態度には耐えられないと述べています。

プレコーラス:真剣に想うが故の対比する強い感情

Lyric

If I ask would you say?
(もし私が尋ねたら、あなたは答える?)
Wanna be the last girl up in your place
(あなたの場所にいる最後の女の子でいたい)
You’re making me so high now
(今、あなたは私をこんなに興奮させる)
You’re everything I’d ever want
(あなたは私が本当に欲しかったすべて)
You’re keeping me so dry now
(今、あなたは私をこんなに冷めさせる)
You’re everything I’d never want uh
(あなたは私が決して欲しくないすべて)

プレコーラスでは相手の気持ちを確認したがっているのが伺えます。

彼女は相手の「最後の女性」でありたいと望んでいるほどに真剣に想っていて、その反動から「時に興奮させ」、「時に失望させ」る存在であることを示しています。

続けざまに対比した感情を歌っているのがとてもポエティックです。

ヴァース2:徐々に離れる気持ち

Lyric

You tryna get me to do
(あなたは私に何かをさせようとしてる)
Things you want me to do
(あなたが私にして欲しいことを)
Don’t need to sit down and talk
(座って話す必要なんてないわ)
Already know what you are
(もうあなたがどういう人かわかってる)
Plastic on the floor but it ain’t from me*1
(床にプラスチックが散らばっているけど、それは私のせいじゃないわ)
Ima go up to the place that I’d rather be
(私のいるべき場所へ行くわ)
You can keep trying to explain to me
(あなたは私に説明し続けてもいい)
But there’s so many ways you can say it to me
(けど、それを私に伝える方法はたくさんある)

ここでは相手の要求や期待に振り回される自分を感じ、その状況から離れたいという願望を示しています。彼女は既に相手の真意を知っていて、その上で彼の行動や言葉に疑問を持っているように感じます。

後半に向けて少しずつ気持ちが離れているのが伝わって来ますね。

*1

「Plastic on the floor but it ain’t from me(床にプラスチックが散らばっているけど、それは私のせいじゃないわ)」は、相手が何か問題を引き起こしているが、彼女は自分がその状況に責任を持っていなく、「関係ないと」言っている風に解釈しました。

アウトロ:乾いていく愛情

アウトロでは、コーラスと同じ「Baby powder」というフレーズを歌いながら、

「What you do, what you do is making me mad, ah(あなたがやってること、それは私を怒らせる)」や、「I’m just saying don’t let me down(私を失望させないでくれと言っているんだ)」

などとさらに歌い上げ、彼の行動や態度に対する失望が強くなっていること感じさせています。

積み重なった不満や失望から、乾いた愛へグラデーションしていく様子がリアルで、なんとも心が痛いですね。

最後に

「乾いてしまった愛」=「Baby Powder」という表現の仕方は曲の雰囲気にもマッチしているし、とても秀逸だなと思いました。

以上「Baby Powder」の考察&解説でした。

Cite from Thumbnail Image

Spotify:Jenevieve – Baby Powder

おすすめ記事:【50選】おすすめR&Bを紹介 / 90sから最新曲まで

おすすめ記事:最新R&Bプレイリスト「Take It Easy」Vol.25

関連記事一覧