チャンス・ザ・ラッパー(Chance The Rapper)を紹介 / 経歴からリリースアルバムまで
インディペンデントな(レーベルに所属しない独立した)活動にこだわり、フリーのミックテープがきっかけで一躍大スターになったシカゴのラッパー「チャンス・ザ・ラッパー(Chance The Rapper)」。
USラップシーンでは既に目を離せない存在となっている彼のこれまでの活動経歴や、影響を与えたアーティスト、「3」のキャップの意味、人気曲10選など、ガッツリお伝えできればと思います。
調べうる限りの情報を詰め込んだので、チャンス・ザ・ラッパー(Chance The Rapper)について気になる方は是非ご覧下さい。
- チャンス・ザ・ラッパー(Chance The Rapper)のプロフィール
- チャンス・ザ・ラッパー(Chance The Rapper)のトップ10ヒットソング
- 1.No Problem ft. 2 Chainz & Lil Wayne
- 2.All Night (feat. Knox Fortune)
- 3.Same Drugs
- 4.Cocoa Butter Kisses(feat. Vic Mensa & Twista)
- 5.Favorite Song (feat. Childish Gambino)
- 6.Juice
- 7.Hot Shower ft. MadeinTYO & DaBaby
- 8.Angels ft. Saba
- 9.Sunday Candy(Donnie Trumpet & the Social Experiment)
- 10.Justin Bieber - Holy ft. Chance The Rapper
- リリース作品を紹介
- チャンス・ザ・ラッパー(Chance The Rapper)を詳しく知る4つのこと
- 終わりに
チャンス・ザ・ラッパー(Chance The Rapper)のプロフィール
名前 | チャンス・ザ・ラッパー(Chance The Rapper)。本名はチャンセラー・ベネット(Chancelor Bennett) |
生年月日 | 1993年4月16日 |
出身 | 米イリノイ州シカゴ |
所属 | Savemoney/SocialExperiment |
チャンス・ザ・ラッパーは、2010年代〜のメインストリームを代表するラッパーであり、レーベルに所属することなく、ミックステープのリリースを通してスターへと駆け上がったアーティストです。
高く柔らかい声色を持ったオリジナリティのあるラップのスタイルが特徴。サウンドにもゴスペル・ジャズ・ソウルなどの要素が合成されていて、気取らない温和なスタイルも印象深いです。
2012年、高校生のときに停学処分を受けたことをきっかけに、デビューミックステープ『10 Day』をリリースし。翌年にはセカンドミックステープ『Acid Rap』をリリース。
2016年、3枚目のミックステープとなった『Coloring Book』は大ヒットし、グラミー賞では「最優秀ラップアルバム賞」を受賞しています。その後アルバム『The Big Day』も発表。独立的なアーティストとして成功を収めました。
ソロ活動以外にはシカゴの集団「Savemoney」のメンバーとしての一面を持っています。また、音楽バンド「the Social Experiment」のボーカリストとしても活動。the Social Experimentでは『Surf』というアルバムもリリースしています。
チャンス・ザ・ラッパー(Chance The Rapper)のトップ10ヒットソング
1.No Problem ft. 2 Chainz & Lil Wayne
リリース:2016年 5月
収録作品:『Coloring Book』
ラッパーのLil Wayneと2 Chainzをフィーチャーした、チャンスの代表曲。2017年のグラミー賞では「最優秀ラップ・パフォーマンス」も受賞してます。
チャンスの音楽的成功を妨げようとするレコード会社への警告的な意味合いの曲です。ゴスペルのバックボーカルの聖歌隊の歌声が光るサウンドがめちゃくちゃ良いですね。これを聴くと感情が高ぶります。
2.All Night (feat. Knox Fortune)
リリース:2016年 5月
収録作品:『Coloring Book』
様々なしがらみの中、ただただパーティーを楽しみたいというチャンスの願望が表れた曲です。ハイチ系カナダ人アーティストのKAYTRANDAがプロデュースした曲で、1980年代のジャンルに影響を受けているという曲だそう。
AppleMusicのラジオサービス「Beats1」のインタビューでは、
あの曲は僕にとって、これまでに書いた曲の中で最高の曲だよ、だってすごいコンセプトなんだからね。
この曲のコンセプトは、僕がこのパーティーにいて、僕の周りには女性がいて、僕の周りにはスーツを着たプロがいて、僕のいとこだと言っている人たちがいる。
そして僕の心の中では、みんなが僕に求めているのは家まで送ってもらうことなんだ。それはとても面白い、馬鹿げたコンセプトだと思うよ。
でも、それをベースにしてつなげていく……それは楽しいコンセプトなんだ。僕はパーティーでは興奮して妄想してしまうんだけど、それをみんなが車で送って欲しいという話に持っていくのは、本当に面白いと思うよ。Songfacts
と語っています。
3.Same Drugs
リリース:2016年 5月
収録作品:『Coloring Book』
子供時代に感じていた興味や経験を懐かしみ、大人になることへの喪失感を歌った曲です。リリックでは、ピーターパンからの引用も見られるのだとか。
まるでNHKの子供番組に出てきそうな、どこか懐かしい雰囲気が、MVを通しても感じられますね。
タイトルが「Same Drugs」という所から、「ドラッグについての曲なんじゃない?」と噂されたそうなんですが、チャンスはツイッターで否定してます。
Same Drugs isn't about drugs 😒
— Chance The Rapper (@chancetherapper) May 13, 2016
4.Cocoa Butter Kisses(feat. Vic Mensa & Twista)
リリース:2013年 4月
収録作品:『Acid Rap』
シカゴのラッパーVic Mensaと、同じくシカゴの早口ラッパーでも有名なレジェンド、Twistaがフィーチャーされた曲です。
この曲の共同プロデューサーであるCam O’biは、
このビートは、チャンス、ヴィック・メンサ、ピーター・コットンテール、そして僕のジャムセッションから生まれたんだ。ピーターと僕がライブでビートを作り、チャンスとヴィックがコーラスを歌ってくれたんだ。
長い話になるけど、この曲を録音したオリジナルのビートを使用する許可をチャンスに与えなかったクレイジーな人がいたから、彼は僕とピーター・コットンテールを連れてきて、まったくゼロから新しいビートを作り、よりホットなものを作ったんだ。Genius
と語っています。収録はだいぶサイケデリックな感じだったんだとか。
ちなみにピーター・コットンテールはチャンス所属のバンドThe Social Experimentメンバーの一人です。ピーターのアルバムは、僕の2020年ベストアルバムにも入ってるので是非!
関連記事:2020年ベストアルバム&EP前編
5.Favorite Song (feat. Childish Gambino)
リリース:2013年 4月
収録作品:『Acid Rap』
カリフォルニアのミュージシャンであり俳優でもあるチャイルディッシュ・ガンビーノ(Childish Gambino)をフィーチャーした曲です。ガンビーノのミックステープ『ROYALTY』に収録の、「They Don’t Like Me」という楽曲以来の共演となった二人。
Betty Wrightの「Clean up Woman」を大胆にサンプリングしたトラックが、どこか高揚的というか、そんな感じの印象を受ける曲ですね。
6.Juice
リリース:2013年 1月
収録作品:『Acid Rap』
『Acid Rap』からの最初のシングルとしてリリースされた曲で、作品の宣伝にも一役買った曲です。
実はこの曲、ストリーミングプラットフォーム(Spotifyとか)では未公開の曲で、実際に公開されているのは30秒ほどの言葉のみ。「この曲も入れたかったんだけど間に合わなかったんだ」的なことが語られていて、サンプリングの権利の問題から公開できなかったそう。
ただ、この30秒の音声を最後まで再生することで、シカゴの若者をエンパワーすることを目的とした非営利団体「SocialWorks」に寄付されるとのこと。ということで『Acid Rap』を聴く際は、ぜひ「Juice」もスキップせずに聴いて頂くとよろしそうです。
7.Hot Shower ft. MadeinTYO & DaBaby
リリース:2019年 7月
収録作品:『The Big Day』
ハワイ出身でアトランタ育ちのラッパー、メイドインTYO(MadeinTYO)と、ノースカロライナ州シャーロット出身のラッパー、ダベイビー(DaBaby)がフィーチャーされた曲で、アルバムからのセカンドシングル。
DaBabyのミュージックビデオも多く手掛ける、Reel Goats氏が担当したミュージックビデオは、かなりコメディタッチ。1996年の映画『グッド・バーガー』を引用した内容になっているんだとか。
8.Angels ft. Saba
リリース:2015年 10月
収録作品:『Coloring Book』
シカゴ出身のラッパーSabaがボーカルとして参加した曲で、ノルウェーのプロデューサーLidoと、チャンスが所属するバンド・The Social Experimentがプロデュースした曲です。チャンスが自身のルーツであるシカゴに思いを馳せ、自分の成長を振り返る内容です。
シカゴの地下鉄の上やサウス・ラサール通りで撮影されたというMVには、守護天使やスーパーヒーローのアイデアが取り入れられているんだとか。
この曲もチャンス・ザ・ラッパーらしい温和なサウンド感。ハートフルな感じが素晴らしいですねー。
和訳が載ったこのライブもぜひ観て欲しいです。
9.Sunday Candy(Donnie Trumpet & the Social Experiment)
リリース:2015年 5月
収録作品:『Surf』 by Donnie Trumpet & the Social Experiment
チャンスがボーカルを務めるバンド、ザ・ソーシャル・エクスペリメント(The Social Experiment)名義での曲。リリックにはチャンスのおばあちゃんへの愛・敬意が込められています。
多くの黒人にとって、グランドマザー(おばあちゃん)の存在は多大なもので、一家の大黒柱的な存在なのだそうです。おばあちゃんがアイデンティティーの基礎となる存在であることがこの曲からも分かります。
10.Justin Bieber – Holy ft. Chance The Rapper
リリース:2020年 9月
収録作品:『Justice』 by Justin Bieber
ジャスティン・ビーバーのアルバム『Changes』に収録された曲で、チャンスとは5回目のコラボレーションとなる一曲。ビーバーの妻、ヘイリー・ビーバーへのラブソングであり、神への忠誠と信仰を歌った歌です。
神への信仰の歌ということで、これにチャンスを起用しているのは必然さを感じますね。また「妻へのラブソング」という辺りから、『The Big Day』との繋がりとか、運命的な相性の良さも感じます。
リードアーティストとしてだけでなく、客演者としての手腕も十分にみられた楽曲なんじゃないかなと思いました。
ジャスティンはこの曲にチャンスを選んだ理由としてこう語っています。
チャンスは僕の親友の一人で、兄弟のように思っています。彼に、何かこのアルバムで共有したいことがあるかどうか尋ねたら、彼は「ああ、ぜひやりたい」と言ってくれたんだBillboard
宗教の概念があやふやな日本の文化とはまた違う、アメリカの文化の一端をグっと感じられる曲でもあります。
リリース作品を紹介
10 Day
リリース:2012年 4月3日
高校時代(2011年)の春休みの前の週に、キャンパスでマリファナを吸って(所持?)いたことが判明し、チャンスは10日間の停学処分を受ける。その期間が発端となって生まれた初のソロ・デビュー作。
この作品は、Forbes誌のCheap Tunes欄に掲載。これをきっかけにチャイルディッシュ・ガンビーノ(Childish Gambino)のツアーのオープニングアクトを務める機会を得ました。
ちなみに、最初に作った曲は「22 OFFS」だそうで、Jay-Zの「22 Two’s」にインスパイアされているとのこと。
「Jay-Zが1曲の中で22回も同じ言葉を使い分けているという事実を利用したものなんだ。」FEATURES
と語り、停学になったときの話が折り重なった曲なんだそう。
Acid Rap
リリース:2013年 4月30日
チャンスの二作目のミックステープ。「停学中の高校生から、シカゴの憧れのラッパーへ」という感じで、劇的にチャンス・ザ・ラッパーへの世間の印象も変わりつつあった時期の作品です。
「Acid Rap」という名前について、
ロイ・エアーズやアシッド・ジャズ・インストゥルメンタル、アシッド・ジャズ・コンピレーションをよく聴いていたし、レゲエやベース、スムースなものもよく聴いていたんだ。VIBE
と語り、サイケデリックな環境下でのレコーディングのことを「アシッド・ラップ・セッション」と呼ぶようになったところからも来ているのだそう。
ちなみにチャンスの好きな曲は「Interlude」だそうで、
ミックステープの中で唯一のラブソングで、良いメッセージが込められています。とても短くて甘い曲なんです。この曲は、テープに収録されているさまざまなスタイルや質問の間にあるもので、テープの中でひとつの決定的な答えのようなものです。これこそが愛なんだ、という感じですね。VIBE
と語っています。後のインタビューでは、
「僕はハッピーな曲や赤ちゃんのための曲などしか作らないという風刺があります。でも実際には悲しい曲もたくさん作っています」
「『10 Day』や『Acid Rap』の多くの部分は、僕が18歳のときに目の前で仲間の一人が亡くなったことを反映している」
「僕はいつも死と奇妙な関係を持っていたんだ」THE FADER
と作品の深い部分のことも話していました。
Free (Based Freestyles Mixtape)【フリーダウンロード】
リリース:2015年 8月5日
カリフォルニア州バークレー出身のラッパーLil Bとのコラボレーションミックステープで、フリーダウンロードで公開されました。
6曲と曲数は少ないですが、9分にも及ぶ「Amen」という曲があったり、内容は聴き方によってはボリューム感があるのかなと感じる作品。アルバムレビューを見る限り、「Amen」はトラックの長さ故になかなかの酷評をされてたりもしてたんですが、その分良い意味で中毒性もあるような?
また「We Rare」のような、不穏な空気のあるトラックでラップするチャンスも珍しい感じがします。そういった意味でも、何気にお宝作品なのかもしれないです!
ストリーミングサービスにはアップされていないですが、音源はここからDLできます。
Coloring Book
リリース:2016年5月13日
チャンス・ザ・ラッパーのソロ三作目のミックステープ。あの名曲「No Problem」もこの作品に収録されてます。
何より凄いのは、これがストリーミングのみのミックステープだということ。要するに、ほぼ無料で配信されたわけですが、それが「ビルボード200チャート」で8位にランクイン。2017年のグラミー賞で「最優秀ラップ・アルバム」を受賞。
そんなことは前代未聞で、ストリーミングのみの作品がここまで来るのは、史上初めてのことだったそうです。時代の変化の象徴でもある作品なわけですね。
多くの人に音楽を広げたい想いがあったことで、この「ミックステープで音楽を発信する」という手段を使っていたそう。
チャンス:ミックステープは、常にゲリラ的に音楽を発信する手段だったんだ。Chance the Rapper名義での最初のミックステープ『10 Day』をリリースしたとき、誰もが手に入れられるように無料で配信しました。SoundCloudでのみ公開したんだ。SoundCloudは、僕が音楽を投稿できる唯一の場所であり、サブスクリプションを支払う必要がなかったからです。また、世界中どこでも使えました。そして、それが僕のモットーになったんだ。ストリートにも、郊外に住む白人の若者にも、そして老人にも受け入れられるようにすることです。NPR
Merry Christmas Lil’ Mama
リリース:2016年 12月22日
シカゴのシンガー、ジェレマイ(Jeremih)とのコラボレーションミックステープ。題名の通りクリスマスの作品です。
2016年のリリース後2017年に『Merry Christmas Lil’ Mama Re-Wrapped』というタイトルで復刻。その後2020年には未発表曲が収録された、リイシュー版『Merry Christmas Lil’ Mama: The Gift that Keeps on Giving』もリリースされてます。
(↑に貼り付けてるのは、2020年の最新リイシュー版『Merry Christmas Lil’ Mama: The Gift that Keeps on Giving』です)
The Big Day
リリース:2019年 7月26日
チャンスが初めてアルバム形式でリリースしたアルバム。この年の3月に結婚を発表した妻のカーステン・コーリーとの結婚式に焦点を当てたコンセプトアルバムなんだそう。
また、Apple MusicのBeats1のインタビューでは、
“最高のアルバム”にするってことがコンセプトでありテーマだった。でもそれって、音楽制作においては全然良くないコンセプトだよね。具体性がないわけだから、制作においては自問自答しまくったよ。まずは“最高のアルバム”ってそもそも何だろうってところから始まるわけ。ダイヤモンドのようにキラキラした曲も必要だろうし、ノスタルジックな曲もいる。一方でフューチャリスティックな曲も必要だろう、って考えたんだ。我ながら、高尚なコンセプトを掲げてしまったよね。
でもやっぱり、ラブソングはマストだった。自分自身のことをラップしたり、どれだけ高速ラップができるかなんてどうでもよかったんだ。そして何より、聴いたら踊りたくなる曲があるかどうかが大事だと思ってる。だってベスト・アルバムなんだから、キャッチーさは欠かせないよね。JASON RODMAN
根本的なアルバムコンセプトは「最高のアルバム」。そこには「ラブソング」必要不可欠で、”結婚式”は、まさに「最高のアルバム」にする上で最高のイベントだったんでしょうね。
またチャンスは、「聴いたら踊りたくなるアルバム」というのも重要視してるみたいですね。
チャンス・ザ・ラッパー(Chance The Rapper)を詳しく知る4つのこと
1.生い立ちについて
シカゴのサウスサイドにあるチャタム地区の出身。テイラー・ベネットという弟がいて、両親は政府関係者という家庭で育ちます。
小学生の頃(小学校6年頃)には、家族に内緒でいとこのシェフ・ショーンというラッパーの家に行って録音をしていたそう。カニエの「Do or Die」や、「Doing Fine」のビートに乗せてフリースタイルをしたんだとか。
高校に入ると、同郷人で親友のジャスティンと”Instrumentality”というグループを結成。高校生活の間に4本のミックステープを作ったそうです。その頃から自腹でスタジオへ足を運び、音楽を作ってはYouTubeにアップしてFacebookでシェアしていたそう。
同じ頃、シカゴのダウンタウンにある「YOUmedia」というユースセンターでは、毎週水曜日の5時から7時まで行われるオープンマイクが行われていました。チャンスはこれに参加し、200人の聴衆の前でパフォーマンス。この時期は、『10Day』を作っていた頃だそうです。
2.影響を受けたアーティスト
最初に聴いてたのはマイケル・ジャクソン(小学4年生まではそればかり)。好きな曲は「Girlfriend」と「Rock With You」。「Rock With You」は『Acid Rap』を作ったときにも聴いていた曲で、チャンスにとっても重要な曲なんだとか。
その後はカニエ・ウェストにハマり、初めて腰を据えて「これだ」と聴いたアルバムがカニエのデビューアルバム『College Dropout』だったそうです。
ラジオから流れる「Through The Wire」に衝撃を受け、さらに「All Falls Down」がその後流れて、母親ににアルバムを懇願。しかし厳しい母親だったこともあり、そのお願いは断られたそうです。
カニエの後はすぐにルーペフィアスコを聴くように。他にもコモンや若い頃のリル・ウェイン(Hot Boyz)、ジュブナイルなども聴いていたそう。
そしてエミネムの賢いワード選びのスタイルにも影響を受けたそうです。お気に入りのミックステープは『Infinite』。
また、高校生になると、フリースタイル・フェローシップ(Freestyle Fellowship)やソウルズ・オブ・ミスチーフ(Souls of Mischief)といった、メロディックでジャジーなラッパーも聴くようにもなったのだとか。
3.レーベルに所属しない独立型のアーティストである
チャンスはこれまでの全ての作品を、セルフリリースという形でリリースしています。チャンスがレーベルとは契約しないというのは有名な話で、楽曲「No Problem」でも
「レーベルよ、俺を邪魔するんじゃねー」
的なことを歌っています。
2作目の『Acid Rap』がヒットしたときは、メジャーレーベル間で入札合戦も繰り広げられたのだとか。それでも頑なに「レーベルと契約する理由がない」と語り、そんな状態でグラミー賞まで獲ってしまうんだから驚きです。
このレーベルと契約しないスタイルに対しては賛否両論声があがっているようで、
チャンスの成功は、かなり前例のないものです。彼を批判する人たちは、彼の成功を、再現が難しい一回限りのケースとみなしています。TRAPITAL
ていう話があるのも事実な様子。ただ個人でここまでやってのけたことは、多くの若者に夢を与えたでしょうね。
4.チャンスが被る「3」のキャップの意味
チャンスが被っているこの「3」と書かれたキャップは、ミックステープ『Coloring Book』に由来しているそうで、「3作目」という意味を持っているのだそう。
「帽子に何か別のものを付けたいと思ったんだ。それで”3″にした。」HIGHSNOBIETY
と言うチャンスはインタビューでさらにこう語っています。
「3つ目のプロジェクトということで、最も意味があると思ったんだよ。プロジェクトのタイトルをどうするか、どんなタイポグラフィにするかについてもかなり悩んだよ。当初のタイトルは『The Magnificent Coloring Book』だったんだ。でもこれじゃあ文字数が多すぎて、キャップにどう載せても、見栄えが悪いんだよ。」HIGHSNOBIETY
確かに「The Magnificent Coloring Book」はキャップのロゴには長すぎますね(笑)。一方で「3」はキャッチーだし、意味ありげで気になるし、いい感じですよね。
終わりに
長尺記事、ここまで読んでくれた方ありがとうございました!書き終えてみて、個人的にも色々と知らないことを知れたのが喜びです。
チャンスの歌はライブパフォーマンスにも真骨頂があると個人的には思ってます。なので、ライブ映像なんかも検索して観ていただけるとよりチャンス・ザ・ラッパーを深く感じられるんじゃないかなーと思います。
また、ネットフリックスの「リズム+フロー」の審査員としてもチャンスは出演してまして、あの番組でもチャンスの人柄が垣間見えると思うので、気になった方はぜひ観てみるとよろしいと思います!
COMPLEX(2017)
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