キッド・カディに注目されたカナダ・トロント出身のラッパーDijahSBとは
カナダ・トロント出身のラッパーDijahSB。
2020年に『2020 the Album』という作品で知ってからというもの、リリース情報などがあれば迷いなくチェックしていたラッパーです。最近ではキッド・カディに注目されるなど、活躍の幅が着実に広がっている様子。
これまでどんな作品を出してるんだっけ?という辺りを中心に、ラッパーDijahSBを深堀りしていきます。
DijahSB(ディージャSB)とは
DijahSB(ディージャSB)は本名Khadijah Payne。オンタリオ州トロントを拠点に活動するラッパーです。
Spotifyの人気プレイリスト「Northern Bars」「Fresh Finds」「Fresh Finds Hip Hop」などにも取り上げられ、特にうつ病やメンタルヘルス、経済的困難などをテーマしたリリックが人々の共感を呼び、徐々に注目を集めています。
彼女は2011年頃からプロデューサーのAstro Megaと、ラップデュオ”Class of 93″として活動。当時は「Kzaraw」という名前での活動でした。
A Harmony、pHoenix Pagliacci、Nyiam、Trace Motivateなどのラッパーとトラックをリリース後、「DijahSB」としてリブランドし、ソロ活動を開始。(「DijahSB」という名前はNike SBラインのシューズからインスピレーションを得たものだそう)
2016年にEP『Manic Luxury』をリリース。2020年にデビューアルバム『2020 the Album』をリリースし、2021年にはセカンドアルバム『Head Above the Waters』をリリース。2021年のPolaris Music Prize(カナダの最高のフルアルバムに毎年授与される音楽賞)の候補にも上がりました。
同年には、カナダの文芸オンライン誌Now Magazineの「The sound of Toronto in 2021」で20人のミュージシャンの1人にも選ばれています。
キッド・カディも注目した存在
This is tasty (chefs kiss) https://t.co/y5itVk6jDu
— The Chosen One : I 💖 YOU FRESHIE 4EVER (@KidCudi) January 13, 2021
オハイオ州クリーブランド出身の人気ラッパーKid Cudiが「tasty」と添え、DijahSBのライブパフォーマンスを
リツイート。Kid Cudiのお墨付きを得たラッパーとして、話題にもなったようです。
この出来事について本人はこう語っています。
彼がそれを引用してツイートしたので、私は30分ほど固まってしまった。自分の身に起こったことの中で、最もクレイジーな出来事だったよ。gal-dem
2021年9月17日にリリースされた6曲入りのEP『Tasty Raps』は、Kid Cudiのツイートに触発されたものだそう。シカゴのラッパーMick Jenkinsとのコラボ曲もあり、着実に名を上げているのが分かる作品です。
DijahSBのヒット&ハイライト曲
1.Frontin’ Like Pharrell
リリース:2020年7月24日
収録作品:『2020 the Album』
ストリーミングプラットフォームやMVでも再生回数が他の曲の軍を抜く曲。流れるDijahSBの流れるフローが味わえる曲ですね。
2.niLL – Control feat. DijahSB (Prod. O Adotado)
リリース:2021年2月19日
ブラジルのラッパーniLLとのコラボ作品です。niLLの6枚目のミックステープ『Blu』の唯一のシングルカットなのだとか。
3.New Harrison
リリース:2021年4月23日
収録作品:『Head Above the Waters』
カナダのラッパーTerrell Morrisをフィーチャーした曲。プロデューサーHarrisonのビート感もバッチリ。個人的に好きな曲です。Terrell MorrisはカナダのラップグループGhetto Conceptのメンバーであるドロを継父に持つのだそうです。
4.I Wonder
リリース:2019年4月5日
カニエ・ウェストの同名の曲からインスパイアを受けたという曲。テイストは違いますが、 どちらの曲もLabi Siffreの「My Song」をサンプリングしています。
5.That’s Alright!
リリース:2020年
収録作品:『Girls Give Me Anxiety』
2020年末にリリースされた4曲入りのEP『Girls Give Me Anxiety』に収録。トロントのラッパー/プロデューサーであり、Clairmont The Secondとのコラボ曲です。
6.By Myself
リリース:2021年4月23日
収録作品:『Head Above the Waters』
「New Harrison」のトラックも提供していた、カナダのプロデューサーHarrisonとのジョイント曲。
ちなみにHarrisonは、Daniela Andrade、Ryan Hemsworth、Sean Leonなど、カナダ有数のアーティスト達とコラボしているプロデューサーなのだとか。
『Head Above the Waters』では「Big Waves」という曲のトラックプロデュースもしています。
一番おすすめのアルバム『2020 the Album』
個人的に一番好きなのが『2020 the Album』。自分がDijahSBを知るきっかけとなった作品であり、ローファイで重いみのあるサウンドや、バウンシーで深みのあるハウスミュージックに惚れた作品です。
「DijahSB」になる前の活動について
元々はプロデューサーのJermaine”Astro Mega”と「ClarkeClass of 93」というデュオで活動していたDijahSB(当時は「Kzaraw」名義)。
冒頭部分でも書いた通りClarkeClass of 93時代には、A Harmony、pHoenix Pagliacci、Nyiam、Trace Motivateなどのアンダーグラウンドのラッパーたちとトラックをリリースしていたそうです。
ClarkeClass of 93では2枚のアルバムもリリースしていました。全体的にブーンバップな空気の漂うアルバムたちです。気になる方はどうぞ。
最後に
「Kzaraw」として活動していた頃と比べると「DijahSB」として活動してからは、ハウスミュージックを初め色々なサウンドを多く取り入れている印象です。
このような音楽を探求するきっかけとなったのは、同郷のハイチ系カナダ人プロデューサーKaytranadaの影響が大きいそうなんだとか(特に『Bubba』というアルバムに一番刺激を受けたそう)。
日々進化している感じで、コンスタントにリリース情報も回ってくるので、これからどんな作品を出すのか楽しみです。また、バチっと来るリリース情報などがあれば、発信したいと思います。
最後までお読み頂いた方、ありがとうございました!
おすすめ記事:J Cole(Jコール)の最新アルバム『The Off-Season』に込められた意味とは
・Bandcamp「A Guide to Acclaimed Toronto Rapper DijahSB」
・Lovablevibes「DijahSB On Kid Cudi’s Co-Sign, Non-Binary Representation In Rap & More」
・VICE「DijahSB Is One Verse Away From Victory」
・gal-dem「DijahSB is the Kid Cudi-approved rapper dismantling gender」