Written by cookie

Joyce Wrice(ジョイスライス) / 艶やかな歌声を持つ日系R&Bシンガー

Artists Music R&B

ロサンゼルスを拠点に活動し、日本にもルーツを持つシンガーJoyce Wrice(ジョイス・ライス)。90年代〜00年代R&Bの質感を持ち、マライア・キャリー、タミア、アリーヤなどの美点を思わせるような艶やかな歌声を持つアーティストです。

今回はそんな彼女のヒット曲、音楽をはじめたきっかけ、経歴などを紹介。Joyce Wriceが気になってた方は是非読んでいってください。

目次

  1. Joyce Wriceのこれまで歩みを辿る
    幼いころから音楽に触れて育った
    キャリア初期の活動
    EP『Stay Around』で見識を広げる
    ファーストアルバム『Overgrown』でネクストレベルへ
  2. 日本人ハーフである事について
  3. Joyce Wriceのヒットソング
    1.Good Morning
    2.On One Ft. Freddie Gibbs
    3.That’s On You
    4.Rocket Science
    5.Do You Love Me?
    6.Blurred Lines
    7.Aint No Need

Joyce Wrice(ジョイス・ライス)のプロフィール

名前 Joyce Wrice(ジョイス・ライス)
生年月日 1992年
出身 カリフォルニア州ロサンゼルス
主な作品 EP
・『Stay Around』(2016)
ALBUM
・『Overgrown』(2021)

Joyce Wrice(ジョイス・ライス)は、カリフォルニア州チュラビスタ出身。現在はLAを拠点に活動するシンガーです。90年代や00年代のR&Bのテイストを色濃く残しており、柔らかで艶やかな歌声と、 Kay Franklin、Mndsgn、Jamma-Deeなどのプロデューサーが織りなすサウンドとの調和は最高に心地よいです。

これまでにはWestside Gunn、Freddie Gibbs、UMI、Masego、Lucky Daye、Free Nationals、Aminéなどのアーティストとの共演や、国際的なツアーも実施。また、EP『Stay Around』、『Good Morning』や、アルバム『Overgrown』といったソロ作品でも注目を集めています。

Joyce Wriceのこれまで歩みを辿る

幼いころから音楽に触れて育った

小さいころから家では音楽が流れていて、2歳くらいの頃にBoyz II Menが流れていたのがホームビデオに映っていたものが古い記憶なのだとか。

「私はおむつをしていて、七面鳥の脚のようなものを運んでいたの。Boyz II Menがバックグラウンドで流れていて、とても楽しかったわ」Girls United

Joyceの父親は普段からR&Bやジャズをたくさん嗜んでいたそうで、車の中ではよくR&Bが流れていたそう。小さい頃に父とのドライブで流れたビギー&112の「Only You(Remix)」は、ヒップホップとR&Bの文化に惚れ込んだひとつのきっかけだそうです。

112 [feat. The Notorious B.I.G. & Mase] – Only You [Remix]

また、よく流れていたタミアのファーストアルバムにも大きな影響を受けているのだとか。

「タミアのファーストアルバムも、車の中で聴いたのが私にとって大きな出来事で、その時に彼女のように歌いたいと思ったんだ。歌と音楽で自分を表現したいと思ったの。」Girls United

Tamia 1st ALUBM – 『Tamia』

他にも、ルーサー・ヴァンドロス、ミニー・リパートンや90年代から2000年代初頭を代表するアーティストにも影響を受けているそうです。

キャリア初期の活動

キャリアの初期は、ロサンゼルスのラッパーPolyester The SaintやDom Kennedyとの仕事をよくしていたそうです。西海岸の音楽レーベルStones ThrowのラッパーMED,Guilty Simpsonの楽曲参加などもしていますね。

Dom Kennedy ft. Joyce Wrice – Hold U Down

MED Guilty Simpson – Pie (feat Joyce Wrice)

この頃はボーカルでのサポートやラッパーのためにフックを作ったり、カバー曲を作ったりするのが中心だったそう。カバー曲については、Brandy、Teedra Moses、Janet Jackson、Aaliyahなどのヒット曲をR-E-Lという人物とともにウクレレでカバーしていました。

ちなみに先日(2022年10月)のBillbord Liveでの来日公演でも、TEEDRA MOSESの「Be Your Girl」のカバーを歌ってくれていました。

TEEDRA MOSES – Be Your Girl

その後、ジョイスは自身のプロジェクトを立ち上げようと考えたことから、そのような活動から一度離れ、EP『Stay Around』の制作へと意識が向かっていったそうです。

EP『Stay Around』で見識を広げる

2016年5月には、彼女の最初のソロプロジェクトであるEP『Stay Around』がリリースされました。この作品は、TDE(ケンドリックラマーも所属するレーベル)のシンガーSiRとの出会いや、プロデューサーMndsgnとの出会いが重要なポイントとなった作品だそうです。

ある日、Justin Bieberの楽曲「All That Matters」の存在を知った(作曲とプロダクションが好きだったそうです)ジョイスは、この曲を手掛けたライター、プロデューサーを調べました。その内のプロデューサーとコンタクトを取ることができ、そのプロデューサーとの繋がりで巡り合った人物がシンガーのSiRでした。

Justin Bieber – All That Matters

「私はSiRに、自分の声を補うものは何か、自分が本当にやりたいことは何かを考えていることを伝えたんだ。」The Hundreds

SiRはジョイスの音楽を発展させるべく、ライティングやボーカル・プロダクションに関して尽力してくれる様になったといいます。この取り組みによって「『Stay Around』を作ろう」となったそうです。

ジョイス作品によくクレジットされているプロデューサーのMndsgnと出会ったのもこの頃だったのだとか。

「Mndsgnというプロデューサーに出会って、彼のビートを送ってもらったときに、”ああ、これこそ私がやりたいことだ” と思った。これこそ私の好きなものだって。それがきっかけで、自分のサウンドに火がつき、創作活動にも熱が入ったわ。」okayplayer

この頃の経験が、いかに彼女にとっての重要なポイントだったかが分かりますね。

ファーストアルバム『Overgrown』でネクストレベルへ

2021年には2年近くの時間をかけて制作したというファーストアルバム『Overgrown』をリリースしました。以前から親しいMndsgnやDevin Morrisonらに加え、Freddie Gibbs、KAYTRANADA、Lucky Daye、Westside Gunn、Masegoなどのアーティストも参加した豪華な作品です。

ジョイスの内側にあった感情をアートにしたというこの作品は、メアリー・J・ブライジのA&R[*]責任者でもあるD’Mileを製作総指揮に据え、ジョイスのソングライティング力・多才さのレベルアップを感じさせるものとなりました。

「私は本当に多才なアルバムを作りたかった。音的に、私はスローやミドルテンポのレコードを多く手がける傾向があるから、私のマネージャーとA&Rはアップテンポのレコードを作ることにも挑戦したの。」okayplayer

またアルバムのタイトルの「Overgrown(生い茂った)」。これは「自分の感情をアートにブラッシュアップすること」を目的に、自分の心の庭を手入れするような意味合いを持っているのだそうです。

「このセッションは私が自分の庭を手入れして、最高の自分になるために必要なガーデニングをしているようなものなの。自分自身のために一歩を踏み出すことは、社会やコミュニティ全体のためにできる最高のことだと思うわ。私たち一人一人がそうすることができれば、どれほど美しいことでしょう。」COLLiDE

『Stay Around』からの変化を楽しみながら聴いても面白いかもしれませんね。

*A&R

A&RはArtist & Repertoire(アーティスト・&・レパートリー)の略称で、レコード会社の役職の一つです。アーティストの発掘・契約・育成から、楽曲提供、マーケティング、アーティストのコンセプトに合わせたプロモーションまで行う、アーティストをより良い方向へ導く役割を担う人です。

日本人ハーフである事について

ジョイス自身は日本の出身ではないものの、彼女の母親が日本の兵庫県・姫路出身の方ということもあり、日本への旅行経験や、半年間の留学経験などもあるそう。

日本にゆかりがあるということが彼女の音楽や芸術的なライフスタイルに少なからず影響を与えているそうで、

  • Crystal Kay
  • 宇多田ヒカル
  • M-flo

などのアーティストは昔から聴いていたそうです。また、宇多田ヒカルがジミー・ジャムやテリー・ルイスと音楽を作っていることも尊敬しているのだとか。

同じ日系ハーフのシンガーUMIとの「That’s On You Japanese Remix」もしかり、日本の血が通っていることへの誇りや、敬意も感じられるなあと筆者も感じております。

UMIの記事でも日本のアイデンティティについて取り上げているので、是非ご覧になってみて下さい。

Joyce Wriceのヒットソング

1.Good Morning

リリース:2017年5月
収録作品:EP『Good Morning』

カリフォルニア州ロサンゼルスにて長いキャリアを持つDJ、Jamma Deeによるプロデュースソングで、同名のEP『Good Morning』には、楽曲「Good Morning」のインストゥルメンタル、アカペラに加え、

  • Benedek
  • Mndsgn
  • Swarv

らプロデューサー陣のリミックスバージョンが収録された内容になっています。

EP『Good Morning』

2.On One Ft. Freddie Gibbs

リリース:2021
収録作品:『Overgrown』

ジョイスのファーストアルバム『Overgrown』に収録。インディアナ州ゲーリー出身のラッパーFreddie Gibbs(フレディ・ギブス)とコラボした曲で、アルバム内だけでなくジョイスのキャリアの中でも人気の一曲です。

フレディ・ギブスとは以前からコラボレーションの話が持ち上がっていて、ジョイスがTwitterで「あなたに是非聴いて欲しい曲がある」(On Oneのこと)とDMを送ったのがきっかけで実現したコラボだそうです。

その翌日には曲を聴かせて、フレディ・ギブスは気に入り、すぐさま頭の中でヴァースを書き上げてしまったそう。行動も早いし頭の回転も早い。すごいですね。

3.That’s On You

リリース:2020年
収録作品:『Overgrown』

こちらも「On One」と同じくアルバム『Overgrown』に収録の一曲。コロナが本格的に猛威を振るった2020年の春ごろに公開されたMVは「Quarantine Style(隔離スタイル)」と題され、セルフィーを巧みに活用した映像になっています。(この頃多くのアーティストが「Quarantine Style」でMVを出してました)

またこの曲は、ジョイス同じく日本にルーツを持つシンガーUMIとコラボした「Japanese Remix」もあるので是非聴いてみてください。二人の日本愛が伝わってくるのが日本人として嬉しいですね。

That’s On You (Japanese Remix) Ft. UMI

関連記事:UMIとは / 日本人と黒人のアイデンティティをあわせ持つシンガーの魅力

4.Rocket Science

リリース:2016年
収録作品:シングル『Rocket Science』

ロサンゼルスのプロデューサー/シンガーソングライターKay Franklinとのダブルネーム作品となった曲で、シングルのもう一曲には「Play Pretend」も収録されています。ジョイスは、

ケイはとても優秀なボーカルプロデューサーで、ソングライティングとアレンジのコツを持っているんだ。
「Rocket Science」と「Play Pretend」をどうやって作り始めたのか正確には覚えていないんだけど、彼が2曲ともフックだけで弾いてくれて、すぐに恋に落ちたの。それで、彼は私にボーカルと曲作りに貢献したいかどうかを尋ねてきたの。私たちは彼のアパートで何度も何度も作業をして、最終的には今日のようなものになったんだ。FADER

と語る、ブラッシュアップを重ねた作品なのだそう。

5.Do You Love Me?

リリース:2016年
収録作品:EP『Stay Around』

Joyce WriceのデビューEPとなった『Stay Around』に収録された一曲で、このEPは当ブログでも何度か登場しているイングルウッドのシンガーSiR(サー)や、LAビートシーンの逸材・Mndsgn(マインドデザイン)、ケンドリック・ラマーなどを擁するレーベル・TDEのジェイ・ロックの「Gumbo」も手掛けたというJ.LBS(ジェイソン・パウンズ)などのプレイヤーたちがサポートした名作になっています。

6.Blurred Lines

リリース:2016年
収録作品:EP『Stay Around』

「Do You Love Me?」と同じくこちらもEP『Stay Around』に収録されている曲です。

7.Aint No Need

リリース:2015年
収録作品:EP『Stay Around』

Mndsgn、DJ Harrisonの共同プロデュースのセカンド・シングル作です。この曲はあるプロデューサーとの楽曲レコーディングが上手くいっていないとき、そのプロデューサーとの仕事から手を引いて、自分の部屋でMndsgnのビートの上でフリースタイルでレコーディングした曲なのだとか。

最後に

さいごに個人的に好きな客演作品をしれっと紹介して締めたいと思います!

Free Nationals「The Rivington」みたく、さりげなくコーラス参加してるのも実は好きだったりしています。もちろんメインで活躍するのが一番ですが、色々な繋がりや見せ方をこれからも期待したいと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました!

おすすめ記事:2021年リリース作品を振り返る【R&B編】
おすすめ記事:最新R&Bプレイリスト「Take It Easy」Vol.10

Reference

Okayplayer: First Look Friday: Embrace The Incandescent Glow Of Joyce Wrice
c-heads Magazine: A good morning with R&B and Soul singer Joyce Wrice
The Hundreds: How Radiant R&B Songstress Joyce Wrice Found Her Voice
FADER: L.A. R&B Singers Joyce Wrice And Kay Franklin Team Up For Trippy “Rocket Science” Video
COLLiDE「INTERVIEW: JOYCE WRICE RELEASES DEBUT ALBUM ‘OVERGROWN’」
okayplayer.「Joyce Wrice Centers Her Vulnerability on Her Debut, ‘Overgrown’」
Girls United「Meet Joyce Wrice, The Singer Behind The New ‘The Proud Family’ Theme Song」

cited

thumbnail image:facebook:joycewricemusic